【毎日書評】好きなところで、誰とでも働けるようになりたいなら「バリューのことだけ考えろ」
『バリューのことだけ考えろ トップ1%コンサルタントの圧倒的な付加価値を出す思考法』(松永エリック・匡史 著、SBクリエイティブ)の著者によれば、コンサル業界には元来、「Up or Out(昇進するか、退社するか)という風土が根づいているそう。 しかも業界が飽和し、さらには生成AIの急速な発展などを受け、「自分はコモディティとなり、淘汰されてしまうのではないか」「どんなスキルを身につければいいのか」「なにを目指して働けばいいのか」といった迷いや不安を抱えている人も少なくないようです。 そんな思いを持っているあなたにただ一つ伝えたいことがある。それは「バリューのことだけ考えろ」という指針である。バリューのことだけを考えて働く。これだけで、あなたはこの先何十年でも好きなところで、誰とでも働けるようになるし、「この業界で生き残っていけるか」といった漠然とした不安にさいなまれることもなく、前進を続けることができるだろう。(「はじめに」より) コンサル業界において長らく大切にされてきた「バリュー」という概念は、日本語に訳せば「付加価値」。たとえば給料は、自分が仕事を通じて加えた価値の対価として払われているわけです。しかも「バリュー」はコンサルに限らず、すべてのビジネスの基本でもあります。 だからこそ、この上なく大切な概念だということ。 つまるところ、「バリューを出せるコンサルタントは生き残れる」「バリューを出せないコンサルタントは生き残れない」というシンプルな話であり、それは昨今に始まったことではない。(中略)今、目の前にいるクライアントに対してどれだけバリューを発揮できるのか、ということが問われているし、コンサルタントはそれのみを考えればいいのだ。(「はじめに」より) もちろんそれは、すべての業種にあてはまることでもあるでしょう。つまりは、ビジネスパーソンにとっての基本ともいえるかもしれません。そのような概念に基づく本書のなかから、きょうは1章「クライアントのニーズに応えるために基本作法」に注目してみたいと思います。