窪田正孝主演『宙わたる教室』に原作者も太鼓判 「家で一人で観たら絶対泣いてました」
10月8日よりNHK総合で放送がスタートするドラマ10『宙わたる教室』の記者会見が9月24日にNHK放送センターで開かれ、主演の窪田正孝、共演の小林虎之介、伊東蒼、制作統括の神林伸太郎が登壇した。 【写真】小林虎之助と笑い合う窪田正孝 本作は、大阪府のとある定時制高校の科学部が、2017年に科学研究の発表会「日本地球惑星科学連合大会・高校生の部」で優秀賞を受賞し、「はやぶさ2」の基礎実験に参加したという実話を基にした伊与原新の同名小説を映像化する人間ドラマ。映画『愛がなんだ』、NHK特集ドラマ『むこう岸』などの澤井香織が脚本を手がけた。 窪田が演じるのは、科学者として将来を嘱望される研究をしながらも、突如、定時制の教師となる藤竹叶。科学がテーマのひとつとなる本作について、窪田は「“科学”と聞くと堅苦しいイメージがあるかもしれません。僕も難しい専門用語がセリフにあるかなと思っていました。でも、“難しい”と捉えてしまうとその枠でしか見えなくなってしまいます。なので、科学の楽しさ、実験の面白さを視聴者の皆さんにどう届けることができるかと考えています」と決意を述べた。 定時制に通う不良生徒・柳田岳人を演じた小林は、「“不良”、“ヤンキー”とは縁がなかった」と実生活では触れてこなかったことを明かし、役作りのために新宿歌舞伎町に通ったという。そこでは予想外の展開が起きたようで、「20時から24時頃までウロウロして、街の雰囲気を知れたことは勉強になりました。ずっと同じ場所にいたら絡まれてしまうと思ったので、自転車でゆっくり漕ぎながら移動していたら、まさかの警察官の方々に『お兄さんカバンの中を見せてください』と。乗っていた自転車も盗んだものと疑われました(笑)」と衝撃のエピソードを披露した。 伊東が演じる名取佳純は起立性調節障害で朝に通うことができないことから、夜間定時制高校に通いはじめたキャラクター。窪田演じる藤竹からの誘いから、科学部へと参加することになる。そんな人物を演じるにあたり、「ずっと閉じこもっていた子が先生に声をかけらえて科学部に入る。それはとても目まぐるしいことだろうなと思ったので、佳純の根っこにあるSF小説が好き、宇宙が好きという点を忘れないようにしようと思いました」とコメント。 記者会見中も窪田が小林と伊東にツッコミを入れるなど和気あいあいとした様子。記者からの「窪田さんは先生らしい?」という質問が飛ぶと、小林は「(普段は)まったくないですね(笑)」と即答し、窪田も「そうだよね(笑)」と同意。「役者の先輩として学ぶことはたくさんありますが、“先生”だと思ったことは一度もないです」と小林は続け、会場を笑わせた。 第1話の窪田の芝居を観た伊東は、「第3話の藤竹先生とは雰囲気が全然違ったので、ビックリしました」と回を重ねるごとに、藤竹の“温度”が変化していくことを匂わせた。 窪田も「回を重ねるごとに彼の裏側に、人の温かさみたいなものが生徒の皆さんを通してどんどん出てきます。いわば少しずつ“人間”になっていく。その変化も楽しみにしていただけたら」と続けた。 制作統括の神林は、窪田へのオファーは即決だったようで、「原作小説から若干設定を変更して、新米の先生の設定にしました。先生も生徒と一緒に成長していく物語にできたらなと。科学者である藤竹がなぜ定時制の教師になったかは謎のまま物語が展開していきます。謎めいた部分とピュアな部分、科学者でありながら先生でもあるという絶妙なバランスが藤竹には求められていました。繊細であり、ミステリアスな部分も表現できるのは窪田さんしかいないと。実際に演じていただいても、窪田さんしかいなかったと改めて感じています」と絶賛。 試写会で第1話を観た原作者の伊与原新も会見に途中参加。その出来栄えについて、「本当に感動しました。澤井(香織)の脚本の力、出演者の皆さんの演技の力で原作の世界が何倍も何十倍にも豊かになっていました」と制作陣への感謝を述べ、「(第1話の)小林さんの演技は本当にヤバかったです。家で一人で観たら絶対泣いてました」と称賛した。
石井達也