「みなとのいちにち コンテナくんのたび」谷川夏樹作。港の世界、丁寧に描く
絵本「コンテナくん」「かもつせんのいちにち」「うみのみちしるべ」(いずれも福音館書店)などで知られる作家、谷川夏樹氏の待望の新刊「みなとのいちにち コンテナくんのたび」が発売された。おなじみのキャラクター「コンテナくん」の旅で、今作は港にスポットを当てた。青山大介氏の描いた港の鳥瞰(ちょうかん)図も付録に付き、盛りだくさんの内容となっている。 一般にはなじみのない港の世界を、谷川氏ならではの温かな絵で紹介する。丁寧な現場取材を基に、コンテナくんが港に搬入され、本船に積み込まれて旅立つまでに出会う港で活躍する人々、施設や荷役機械の働く姿を描く。取材には神戸港などの関係者が協力した。 コンテナ船ばかりでなく、バルカー、バナナを運ぶリーファー船、新幹線の車両を輸送する重量物船、タグボートなど、さまざまな船が登場。国内外の船が往来する港の空気を感じられる。
付録「港湾都市鳥瞰図」では港の造りが一目で分かる上、用語説明もある。対象は小学校低学年だが、大人にも読ませる一作。港を知る人でもその魅力を再発見できるだろう。 30・5×21・5センチ、28ページ、定価1650円(税込み)▽発行所=ウェイツ
日本海事新聞社