円は153円台後半に上昇、米次期財務長官にベッセント氏指名でドル安
(ブルームバーグ): 25日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台後半に上昇。トランプ次期米大統領が財政規律重視派とされるベッセント氏を次期財務長官に指名したことで、米国のインフレが抑制されるとの見方から米長期金利が低下し、ドル売り・円買いが優勢だ。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、関税強化はインフレとドル高につながると進言していたベッセント氏を起用したことで、「トランプ氏の政策が警戒されたほど過激なものにはならないとの見方から、トランプトレードが巻き戻されているのではないか」と指摘した。
25日の東京市場は早朝からドル全面安の展開。22日の米国市場終了後にトランプ氏が次期財務長官にベッセント氏を指名し、米長期金利上昇とドル高の「トランプトレード」を巻き戻す動きが広がっている。外為ドットコム総研の神田氏は、28日以降は米国市場が感謝祭休暇に入るため、「持ち高調整が加わりやすいタイミング」だとも指摘した。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは25日付のリポートで、ベッセント氏が関税引き上げ政策に消極的な姿勢を示していたことから、インフレの「一定の歯止め役となりドル高圧力が弱まるとの期待が広がった」と指摘。財政悪化による米金利上昇懸念も後退し、「ドルロングの巻き戻しにつながった可能性がある」との見方を示した。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Saburo Funabiki