（FNNプライムオンライン）

ナマケモノの独特な水の飲み方に驚きの声が寄せられている。 生活のほとんどを木の上で過ごすナマケモノが“水分補給する姿”を、神戸市立王子動物園（兵庫県）の公式Xアカウント（@kobeojizoo）が投稿した。 【画像】ぶら下がったまま水分補給する様子を連続写真で見る ぶら下がっているのはフタユビナマケモノのキンカンちゃん（12歳・メス）。キンカンちゃんはあおむけの体勢のまま、頭の下にあるトレーから右手で器用に水をすくって口に運んでいる。 たくさん水がこぼれて顔をぬらしているが気にした様子はなく、ペロペロと舌を出しておいしそうに飲んでいるのだ。 顔や頭がビショビショな水分補給は、水浴びも兼ねているのだろうか。気持ちよさそうでもある。動物園の投稿コメントによると「ナマケモノは食事をするときも仰向けのままなんですが、お水を飲む時も仰向けのままのようです!」とのことだ。 動画を見た人たちからは「へぇ～　仰向けって凄い斬新な飲み方するんやなぁ」「知らなかったー　勉強になります」という驚きの声があり、中には「お鼻に水が入らないかな」「むせないのだろうか…」と心配する声も寄せられていた。

キンカンだけ“あおむけスタイル”を貫く

ぶら下がったまま水を飲むとは、ナマケモノらしいと言えばらしい飲み方に思える。しかし、この独特な飲み方はキンカンちゃん以外もするのだろうか?珍しい光景なのだろうか? 神戸市立王子動物園のナマケモノ担当・若林亮介さんに聞いた ーーキンカンちゃんについて教えて。 バナナが大好きです。朝夕は活発に動きますが、日中は寝ていることが多いです。 ーーあおむけの体勢で飲むのは野生でも同じ? 自然界では木についた水分や食物から摂取しますので、あおむけではないこともあると思います。 当園の他個体ではうつ伏せの姿勢で摂取するのですが、キンカンだけはあの映像のスタイルを貫いているようです。 ーーなぜこのような体勢で飲むの? なぜかは不明ですが、ナマケモノは前肢を使って物を掴んだり引き寄せたりすることが多いので、それが関係している可能性もあります。 ーーむせたり、鼻に水が入ったりはしないの? むせている姿は確認されていません。鼻は鼻息を出して水が入らないようにしていました。 余談ですが、ナマケモノは木にぶら下がって過ごす動物であるため、あおむけでの飲食がし易いのかもしれません。また、ナマケモノは肋骨が発達しており、内臓がしっかり固定されているので、重力で肺などを圧迫しないようになっています。