尾上右近 歌舞伎を好きになったきっかけは舞踊 信頼できる“心の友”と舞踊舞台で共演【前編】
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歌舞伎座で上演中の『吉例顔見世大歌舞伎』(25日まで上演)にて夜の部『三社祭』に出演する尾上右近さん(31)に、日本テレビアナウンサー・市來玲奈がインタビュー【前編】。約半年ぶりに歌舞伎座の舞台に立つ右近さんは、同世代の歌舞伎俳優・坂東巳之助さん(34)とともに演目に臨んでいます。稽古前の右近さんに『三社祭』への思いを伺いました。 【画像】尾上右近 「これだからエゴサーチはやめられない」
■歌舞伎を好きになったきっかけは“舞踊” 約半年ぶりの歌舞伎座へ
11月2日に初日を迎えた『吉例顔見世大歌舞伎』。歌舞伎座では1年を通して毎月公演が行われていますが、月によって名前が変わることがあります。例えば、今年の5月の歌舞伎座公演は『團菊祭五月大歌舞伎』、9月の公演は『秀山祭九月大歌舞伎』でした。今回は『吉例顔見世大歌舞伎』ということで、その意味合いについて伺いました。 ――『吉例顔見世大歌舞伎』とは、どのような興行なのでしょうか? もともと“顔見世”という興行・公演が江戸時代からあって、1年間の役者が決められて、“この役者のラインアップでお芝居をいろいろやっていきますよ”ということを紹介するのが“顔見世”という公演の内容だったんですよね。今は、毎月違う役者が出ていますが、一応“吉例”というふうに銘打って、1年の中でも特別な行事として公演が行われているのが東京の場合、11月の公演にあたります。 ――5月の『團菊祭五月大歌舞伎』以来、約半年ぶりの歌舞伎座出演とのことですが、心境はいかがですか? 歌舞伎座に対する気持ちは、“帰ってきたぞ”っていう感覚がすごく強いですね。離れていると、歌舞伎をすごくやりたくなるんですよ。別のお仕事のために歌舞伎を休んだりすることってありますけど、そのお仕事に没頭している半面、やりたいっていう気持ち、純粋に好きだなっていう気持ちを確認できます。お客さんも、しばらく右近が出てなかったっていうことは認識してくれていると思うので、休んでいただけのことはあるなって、久しぶりに歌舞伎に帰ってきた何か違う風を感じてもらいたいです。 ――今回出演される『三社祭』は、歌舞伎俳優にとってどのような演目でしょうか? 踊りでお客さんを楽しませることができるであろう、と思ってもらえる役者が、上演する演目でもあると僕は捉えていますね。僕自身も歌舞伎舞踊が非常に好きで、歌舞伎を好きになったきっかけが舞踊。歌舞伎の基本的なものが舞踊だったりもするので、その中でも『三社祭』というのは、若いうちに汗をかいて活発に動いて魅せる2人の舞踊なので、世代ごとに、“この2人でこの踊りで楽しませることができるよね”っていうような組み合わせで踊る作品。それに自分が取りかかれるっていうのはうれしいなと思います。