尾上右近 歌舞伎を好きになったきっかけは舞踊 信頼できる“心の友”と舞踊舞台で共演【前編】
■同世代・坂東巳之助と演じる『三社祭』 「心から信じているのでぶつかれる」
――そんな『三社祭』を一緒に作りあげる坂東巳之助さんはどのような存在ですか? 彼がいるから自分がいると思えるし、きっと彼も僕がいるから頑張れるって思ってくれていると思います。世代を背負ってやっていくことをすごく真剣に捉えていて、その自覚を一番持たせてくれる存在でもあります。巳之助さんとは立役、男の役同士で関わるとなった時に“心の友”っていう感覚は強いです。巳之助さんに対しては心から信じているのでぶつかれるっていう気持ちは大きいですね。 ――“心の友”である巳之助さんと、どんな公演にしたいですか? 巳之助さんは非常に冷静に物事を考えている人で、僕は逆に衝動的にその瞬間にはぜるということが好き。お互いにそこが決定的に違うんですよね。巳之助さんから感じることが多いのは、冷静に物事に対処して自分の環境や状況を整えて、舞台の上でお客様にきちんとしたものをお見せする必要性。 “お前みたいに衝動的に走ることなんか俺はできない”ってたまに言ってくれたりするので。“僕らの世代ならでは”っていうのは、その違いを楽しんでいただくことかなと思います。
■後編記事へ 尾上右近の価値観に迫る質問企画 『善悪どっちでしょう!』
『三社祭』は、2人の漁師が三味線や唄に合わせて舞う舞踊劇。その2人に物語の途中で“悪玉”と“善玉”が取りつく様子を舞踊で表現します。今回、その物語にちなんで、2つの質問をしてみました。 ①旅行の時に予定をびっしり立てるのは善か悪か ②映画やドラマのストーリーを事前に話されること、いわゆるネタバレは善か悪か 人の価値観によって回答が変わる“善”と“悪”を、右近さんはなんと答えたのか。その様子は【後編】の記事で公開しています。 【市來玲奈の歌舞伎・花笑み】 「花笑み」は、花が咲く、蕾(つぼみ)がほころぶこと。また、花が咲いたような笑顔や微笑みを表す言葉です。歌舞伎の華やかな魅力にとりつかれた市來玲奈アナウンサーが、役者のインタビューや舞台裏の取材で迫るWEBオリジナル企画です。