【箱根駅伝】中大の“5年生”ランナー園木は「走れなかった」父の代わりに「俺が走る」5区を粘走
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ) 前回13位の中大が往路で2大会ぶりの2位と大躍進した。1996年以来の総合優勝に向けて、復路に挑む。 中大の5区・園木大斗(4年)は箱根駅伝出走のために大学に残った“5年生”。「プランになかった」と首位で受けたタスキに驚きつつ、初の箱根路で必死に足を前に出した。後ろからは青学大が追ってきて「逃げなきゃ、と突っ込み過ぎた」と序盤のハイペースもたたり、9.5キロ付近で青学大に抜かれた。それでも猛追された早大と駒大をしのぎきり、区間6位で走りぬいた。 父・哲郎さんは、中大が箱根駅伝総合優勝を成し遂げた96年の主務。幼い頃テレビで一緒に箱根を観戦している時、父がこぼした「箱根駅伝を目指していたが走れなかった」という言葉を聞き「俺が(代わりに)走る」と誓った。3年時から右膝の故障に苦しんだが藤原監督から「もう1年大学に残って競技を続けないか」と手を差し伸べられたことをきっかけに5年目も努力を重ねメンバー入り。初の5区に「苦しかった」と言ったが、約束を果たした園木の表情はすがすがしかった。
報知新聞社