『ドラクエ4』もうひとつの真実!?「勇者の村滅亡」「地獄の帝王の正体」天空シリーズ屈指の闇に迫る
■マスタードラゴンとピサロに接点が!
『ドラクエ』の天空シリーズといえば、マスタードラゴンの存在がストーリーの根幹にある。マスタードラゴンは世界を見守る竜の神で、基本的に天空城の主として天空人と暮らしている。 一部のファンからは「高みの見物を決め込むマスタードラゴンこそが元凶なのでは?」などと言われていたが、本作ではマスタードラゴンの“ある行動”に驚かされることになる。 『ドラクエ4』ではマスタードラゴンとピサロに直接的な接点はなく、「勇者に魔族の王・デスピサロを討伐してほしい」というマスタードラゴンの姿勢は一貫していた。当時のプレイヤー目線からは「どうしてマスタードラゴンは手伝ってくれないんだろう」と思ったのを覚えている。 本作にもマスタードラゴンは存在するのだが、こちらでは大きな事態に発展する前にピサロと接触していた。ピサロが悲劇を起こさないように(『ドラクエ4』のような末路をたどらないように)助言をするのだが、結局のところあまり役に立っていない印象である。 結果的に『モンスターズ3』は本編のエンディングとは異なるラストを迎えるのだが、マスタードラゴンがもう少し本腰を入れて真摯に行動できていれば、もっと違う結果になっていたと個人的には思う次第だ。
■地獄の帝王・エスタークの正体
『ドラクエ4』に登場する地獄の帝王・エスタークは、人間を滅ぼすためにピサロが復活を企て、復活したものの勇者によって倒される存在である。 復活後すぐに倒されるため、出番は短かったものの、ストーリー全体にかかわる強烈な存在感を残し、ファンからも人気のあるキャラクターだ。 『モンスターズ3』でもエスタークはストーリーの根幹部分にかかわり、より設定が掘り下げられている。なかでも衝撃的だったのは、エスタークには3つの個体があること。彼らは「地獄の三神」と呼ばれ、「エスターク・クーク」「エスターク・ジュマ」「エスターク・イスナ」というまったくの別個体が存在するのだ。 『ドラクエ4』に登場し、勇者と戦うことになるエスタークは「エスターク・クーク」。本作では、クリア後のストーリーも含めてジュマ、イスナと戦う。 またエスタークを生み出したのは、マスタードラゴンから離反した天空人というのも驚きの設定だ。魔族も人間も、天空人陣営による“いざこざ”に巻き込まれてしまったとも考えられる。 本作の物語はアナザーストーリーなだけに『ドラクエ4』本編と矛盾する部分もあり、そのあたりで賛否の声があったのも事実。だが「実はピサロが村を滅ぼしたわけではない」「エスタークの出自が明らかになる」といったところまで切り込んだのは、個人的には意欲的に感じられた点でもある。 今『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』はNintendo Switchだけでなく、SteamやiOS、Androidなどでも遊べるので、『ドラクエ4』の世界観が好きで気になった人は一度プレイしてみてほしい。
津田まさき