<頂点へ―’22センバツ九国大付>第1部/下 守備 センターラインに自信 /福岡
圧倒的な打力で昨秋の県大会と九州大会を制した九国大付。「強打の九国」のイメージが先行する一方で、楠城徹監督はチームを違った角度から作りあげてきた。「外野を抜かれることが少ない」と話す外野の守備範囲の広さ、そして、捕手、二遊間、中堅手のセンターラインについては「全国でもトップレベル」と自信を見せる。 県大会、九州大会の1試合平均失策数をみると、九国大付は0・36(11試合4失策)。九州からセンバツに出場する他の4校は、大分舞鶴(21世紀枠)が0・57(7試合4失策)▽有田工(佐賀)が1・13(8試合9失策)▽長崎日大が1・25(8試合10失策)▽大島(鹿児島)が1・64(11試合18失策)――で、守りの堅さでも他を圧倒した。 その核となる「鉄壁の二遊間」を形成するのが遊撃手の尾崎悠斗(2年)と二塁手の白井賢太郎(1年)だ。 「守りには自信がある」と話す尾崎は小学生の時から遊撃手としてプレー。中学時代には一時期挑戦した投手として15歳以下日本代表に選ばれた経験もある。打撃強化で体重を夏から6キロ増やしながらも、グラブさばきは軽快だ。他の選手が良い守備をすると「尾崎よりうまいよ!」と声が上がることも、信頼されている証左だ。 今春卒業する兄を追い九国大付に入学した白井は、昨夏から兄とともにベンチ入り。昨秋は尾崎とともに全公式戦に出場し、二塁手としてレギュラーの座をつかんだ。「試合で経験を重ねて自信がついてきた」といい、低い態勢から堅実な守備を見せる。 「短期決戦のトーナメントでは、一つのミスでゲームを落とす。そこは厳しく言う」。楠城監督は練習で選手が考えながらプレーすることに主眼を置く。元投手の強肩を生かした守備が光る中堅手の黒田義信(2年)は「きちんと捕った後にきちんと投げる。一つ一つのプレーをしっかりこなすことが大事」と自らの考えを話す。 練習で考え抜き、全力を尽くすその先に、悲願の頂点はある。【浅野翔太郎】 〔福岡都市圏版〕