「給湯温度」が「お風呂の設定温度」より低いとガス代が上がると聞きました。これって本当ですか?
給湯器とお風呂の設定温度について、どのような違いがあるのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。給湯器の設定温度がお風呂の設定温度よりも低い場合、実際にガス代が高くなるという話がありますが、どれほど影響があるのでしょうか。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較 この記事では、給湯器とお風呂の設定温度以外にも、ガス代の節約方法についてご紹介しているため、参考にしてください。
給湯温度をお風呂の設定温度より低く設定すると、ガス代が上がる理由
給湯器の設定温度が40度、お風呂の設定温度が42度の状態で、浴槽にお湯を張るケースについて考えてみましょう。 この場合は、給湯温度40度の状態で浴槽にお湯がたまったあとに、お風呂の設定温度である42度まで上げるために追い焚き機能が働きます。つまり、2度温度を上げるためのガス代が余計にかかるのです。 実際に、温度を2度上げるためにかかるガス代を計算してみましょう。ガス代を計算する際の条件は、以下の通りとします。 ・上昇温度:2度 ・湯量:180リットル ・ガスの燃焼量:1万750キロカロリー(都市ガス) ・熱効率:80% ・ガス単価:158.46円 なお、ガス単価は東京ガス株式会社のガス料金表(東京都2024年9月時点)を参考にしています。計算する際は、以下の式にあてはめて計算します。 ・上昇温度×湯量÷(ガスの燃焼量×熱効率)×ガス単価 上記の計算式に当てはめて計算すると、温度を2度上げるためにかかるガス代は約6.6円となります。仮に1ヶ月間(30日)毎日お風呂にお湯をためた場合は、約198円かかる計算になります。 ただしプロパンガスの場合は、都市ガスよりもガスの燃焼量が多くなるため、さらにガス代がかかる可能性がある点に注意しましょう。
推奨される給湯温度設定
給湯温度をお風呂の設定温度よりも低く設定している場合、その分追い炊きをしなければならず、ガス代が高くなる可能性があることが分かりました。 そのため基本的には、給湯温度をお風呂の設定温度よりも高くなるように設定するとよいでしょう。 給湯温度は使用している水栓の種類によって、推奨される設定温度が異なります。一般的に使われている水栓には、4つの種類があります。各水栓で推奨されている設定温度を、以下にまとめました。 ・単水栓:約40度 ・2ハンドル混合栓:約60度 ・シングルレバー混合栓:約60度 ・サーモスタット混合栓:約50度~60度 基本的に、単水栓の場合は40度前後となっていますが、ほかの3つはお湯と水が混ざって出てくる混合栓となっており、推奨温度が約10~20度高くなっています。 混合栓の設定温度が高くなっている理由は、お湯を水で薄める際にかかる負荷を軽減させるためでしょう。単水栓よりも混合栓の方が、少ない湯量でためられるため、光熱費の節約につながるとされています。 給湯の推奨温度は、モニター付近または取扱説明書に記載されているケースが多いため、確認してみてください。