史上３人目の通算１６００勝を達成した岩田行雄

　孤高に、孤独に、気高くプライドを持ち続けて、ついに大台に到達した。 　オートレーサーの岩田行雄（６７）＝伊勢崎＝は１３日、埼玉県川口オートレース場で行われた第２レース「予選」を制し、１９７７年５月２５日に船橋所属・１５期生として選手登録されて以来、通算１６００回目の１着ゴールを決めた。高橋貢（１６５１勝、現役）、小林啓二さん（１６３６勝、引退）に続いて史上３人目の１６００勝達成となった。 　勇躍ロッカーへ引き上げて来た岩田は、ヘルメットを脱ぐと笑顔で「３人目！」とまずは第一声を力強く発した。「できるだけ早く達成したかったんですが、今回はチャンスだなと思っていたので良かったです。こんな俺が３人目になれるなんて…。ここまでやって来ることができたのは、負けず嫌いだからさ。負けては反省をして、どうしたら勝てるかをずっと考えていました。その積み重ねだよなあ。まだ上には高橋貢がいるし、下からも若い連中がどんどん追い上げて来ているけれど、この仕事は体が資本です。また明日の１勝を目指してやって行きます。今節の優勝？　うん！　頑張るよ！　今でもまたＳＧに勝ちたいという気持ちだってありますよ！」 　１９８９年の全日本選抜オートレースでＳＧタイトルを初めて獲得。１９９１年には日本選手権オートレース、１９９３年にはオールスターを制して、ＳＧ３勝。Ｇ１１８勝、Ｇ２８勝、通算優勝回数は１０７回。１９８７年、１９９２年には年間最優秀選手賞を受賞。黙々とストイックにオートレースに向き合い、「一匹狼」の異名を誇る。プロ意識が高く、現在全国ランク１位の青山周平が尊敬する選手にその名を挙げている。 　◆岩田行雄　１９５７年５月２４日、神奈川県出身。６７歳。身長１６９センチ、体重５１キロ、血液型Ｏ。