真琴つばさ「今日の後悔は明日の希望」宝塚時代を振り返る……忘れられない初の「せりあがり」
――そして今、95期生の柚香光さん、月城かなとさん、礼真琴さんが同時にトップスターで活躍しています。どのように感じますか? 同期同士で何人かトップがいると、自分のことのようにうれしく思うんです。どんな感じなの?と聞いてみたいですね。 私たちの時には、若いころはきっと、例えば競泳プールで隣で泳いでいて気になったりするような(感覚が)あったと思うんですけど、主演をするようになると(自分が)泳ぐことに必死で、競争心ではなく、たぶんみんな違うプールでそれぞれに泳いでいるんだろうなという心強さはありました。 前を切り開くことに大変で、競争心とかではない。同じように頑張っている同期が隣にまた別のプールにいるって思うと自分も頑張れる。ちょうど新しい劇場のこけら落としの際に、会ってしゃべる機会がありましたけど、(同期に会えると)安心感があります。 ――今、舞台に立っていらっしゃる95期の皆様にも頑張ってほしいですね。 今は、横がどうこうという余裕はないかもしれないですね。ただ、年とともに同期の存在感が増してくるんです。彼女たちが10年後、20年後に会ってどんな話をするのかなと、今からとても楽しみですね。
■「今日の後悔は明日の希望」
――宝塚で学んだことで、今一番生きていることは何でしょうか。 「今日の後悔は明日の希望」です。舞台で失敗することもあるわけです。うまくいかなかったことばかり気になって後悔して、「なんで私はあんなことしたんだろう」という日がずっと続いていて。ある日、できなかったことを明日こうしようと思ったことが自分の中の希望になったんです。今日の後悔が明日の希望になるんだ。そう思った瞬間からとても気分、気持ちが変わったし、それが舞台の良さだなと思いました。 悪いことがあっても悪いことで終わらせない。それをいいことに転じようって思うやり方です。今でも普段のことでも、ちょっと落ち込むとそう考えています。希望って前を向きますよね。後悔は下を向きますよね。だから、その気持ちの方向転換だけでだいぶ違うかな。 (『アプレジェンヌ~日テレ大劇場へようこそ~(真琴つばさ編)』より抜粋・再構成)
◇ ◇ ◇ 『アプレジェンヌ』は日テレNEWS24制作のシリーズ企画。元タカラジェンヌをお招きし、日本テレビで熱烈な宝塚ファン、安藤翔(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。