昨季10位からコンテの下で首位に飛躍のナポリ、OBが考える快進撃のきっかけはGK鈴木彩艶「彼の退場が全てを変えて自信を与えた」 | セリエA
【欧州・海外サッカー ニュース】1987年にナポリでスクデットを獲得したサルヴァトーレ・バーニ氏が、17日付のイタリア紙『Corriere dello Sport』のインタビューで古巣に見解を示した。 【動画】GK鈴木彩艶がまさかの退場でパルマは守護神を急造
今シーズンは、セリエA第12節終了時点で、アントニオ・コンテ率いるナポリが勝ち点「26」で首位につけ、昨シーズンの覇者インテルやアタランタ、フィオレンティーナやラツィオを1ポイント差でリードする。 そんな中、1980年代後半にナポリで活躍したOBバーニ氏が、コンテ指揮下で再出発して快進撃を見せる古巣に驚きを示した。 「コンテがこれほど短期間でこれほど良い仕事をするとは想像していなかったよ。昨シーズンを10位で終えたチームを引き継ぎ、ヴェローナとの初戦では、まだ前のシーズンが尾を引いているようだった。ところが彼は、極めて短い時間で最高の仕事をやってのけた。すぐさま選手たちと打ち解け、勝っても負けても1つのチームとしてプレーし、1つのチームとして攻撃をして守備をするチームを作り上げた」 その快進撃のきっかけは、第3節の昇格組パルマとの対戦における日本代表GK鈴木彩艶の退場を巡るエピソードであったと、バーニ氏は分析する。ナポリは19分、パルマにPKで先制点を献上して試合の主導権を握られていたが、パルマが交代枠を使い切った後の終盤、ダヴィド・ネレスが鈴木の2枚目の警告を誘って数的有利に立つと、本職のGKがいなくなった相手から2点を奪って2-1と逆転勝利を収めた。 「カギとなったエピソードは、パルマ戦の75分のスズキのレッドカードだった。あの時、ナポリは負けていて、(ファビオ)ペッキアのチームは非常に良いプレーを見せていたところだった。(鈴木の)退場が全てを変え、ナポリに自信を与えたんだ。ナポリはあの瞬間から、あの試合終盤に逆転勝ちしてから、とどまることを知らない」
OBが見たナポリの新戦力
続いてナポリOBは、スコット・マクトミネイやアレッサンドロ・ブオンジョルノ、ロメル・ルカクら新加入の選手たちについて見解を示した。 「新戦力の中で一番サプライズだったのはマクトミネイだね。マンチェスター・ユナイテッドからやって来たので、サプライズというのは違うかもしれない。そういうレベルの選手だからね。しかし私が驚いたのは、メカニズムへの素早い適応だ。そのおかげで、コンテは異なるスタイルでプレーできるようになった」 「それからブオンジョルノにも言及しておきたい。単純にものすごい選手だ。彼にも驚きはしないが、トリノからナポリへ移籍すれば、何かしらの代償があるはずだ。だが彼はそのままだった。“適応”という言葉があるが、実際には関係ない。優秀な選手なら実力を示すための時間は大して必要ないんだ。ブオンジョルノはピッチで見ていて素晴らしいよ」 「ルカク? (ヴィクター)オシムヘンがすぐに退団していれば、彼はもっと早く加入していたことを覚えておくべきだ。ルカクは夏の準備に参加できず、ベストコンディションになるために時間がかかった。コンディションの遅れがあることは、彼自身も分かっているだろうし、コンテも分かっている。だからルカクは常に出場しているんだ。彼は試合のリズムを取り戻さなければならない」 コンテ率いるナポリは、中断明けのセリエA第13節において、クラウディオ・ラニエリが新監督となったばかりのローマをホームに迎える。バーニ氏は、ここまで低迷してきたローマにとって、クラブのOBでもある新指揮官が起爆剤となる可能性を警戒している。 「対戦相手が最初の12試合のローマだったら、ナポリにとってより簡単だったはずだ。だがいまは、ローマのファンであり、ローマの象徴であり、信頼できる指揮官で人間としても偉大なラニエリがいる。ナポリにとって厳しい戦いになるだろう」 試合情報 パルマ vs アタランタ 試合時間:2024年11月24日(日)日本時間4:45 会場:スタディオ・エンニオ・タルディーニ ナポリ vs ローマ 試合時間:2024年11月25日(月)日本時間2:00 会場:スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
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