繰上げ受給・繰下げ受給で年金額はいくら変わる?「60歳、65歳、70歳、75歳」年齢ごとの年金総受給額をシミュレーション
年金収入は老後の生活設計においてとても重要なものです。 しかし、国から支給される公的年金は受給開始年齢によって額が異なってくるため、何歳から受け取り始めるのが良いのか、迷う方も多いのではないでしょうか。 日本の平均寿命は徐々に伸びており、最新の統計では2023年の時点で男性が81.09歳、女性が87.14歳となっています。 ◆今から知っておきたい公的年金の仕組みを図表で見る このように老後に過ごす年数が長くなった現代において、年金の支給開始年齢の決定など老後の生活設計はとても重要です。 この記事では、年金制度の基礎を解説した上で、受給開始年齢の選択のポイント、そして具体的な金額シミュレーションを通して、受給開始の年齢を決定する手助けができればと考えております。ぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金制度の基礎知識
日本の公的年金制度は、"2階建て構造"で表現されます。その1階部分は、全員が加入する「国民年金保険」、そして2階部分は主に会社員や公務員が加入する「厚生年金保険」です。 ●国民年金保険 1階部分である国民年金保険は、20歳以上60歳未満のすべての国民が原則として加入する義務がある保険です。 加入者として国民年金保険料を納付することにより、「老齢基礎年金」「遺族基礎年金」「障害基礎年金」などを受給することができるようになります。 ●厚生年金保険 厚生年金保険は、主に社会保険の適用事業所に勤めている一定の従業員が加入する保険です。 加入して事業主と折半して保険料を払うことにより、「老齢厚生年金」「遺族厚生年金」「障害厚生年金」を受給することができるようになります。さらに、国民年金保険の加入期間は自動的に国民年金の加入期間として取り扱われるため、自動的に老齢基礎年金・遺族基礎年金・障害基礎年金の受給を受ける基礎となります。 また、厚生年金の保険料や受け取る年金額は、その人の給与から1年ごとに算出される「月額報酬」に応じて決定します。 ●老齢年金の受給タイミング 「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」の老後の年金は、現在の日本では原則として65歳から支給が開始されますが、60歳から75歳までの間であれば、自身で開始時期を選択することができます。 受給開始年齢を繰上げた場合には1ヶ月早めるごとに年金額が0.4%減額(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)され、開始年齢を繰下げた場合には1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額されます。