右ひじ骨折を経験した2年生右腕が魂の162球!現役大リーガーと投げ合った恩師の教えを胸に北海道教育大釧路校に全国1勝をもたらす!<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
<清瀬杯第56回全日本大学選抜大会:北海道教育大釧路校10-1大阪教育大>◇1日◇1回戦◇札幌市営円山球場 【一覧】進学もしくは社会人志望の選手 1日より北海道で開幕した清瀬杯第56回全日本大学選抜大会。28日に佐賀県で開催されていた文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会と並ぶ、大学準硬式の全国大会として各チームが目指す今大会。札幌丸山球場では北海道教育大釧路校が、前回の準優勝チーム・大阪教育大を10対1で破った。 0対1で迎えた4回、5番・小林 怜央内野手(2年=釧路湖陵出身)の適時打で追いつくと、7番・山﨑 亮太郎内野手(2年=寒河江出身)の適時打で逆転に成功。その後も打線が繋がり、北海道教育大釧路校が6対1とリードを奪った。 このリードを先発した小川 天士投手(2年=久慈出身)が守る。130キロ中盤の速球を軸にした力投で、大阪教育大の反撃を封じてベスト8進出に導いた。 何度ピンチを背負っても、「しゃあー!」と一言マウンドで吠えて、自分を奮い立たせて、気迫でピンチを切り抜けた。そうやってスコアボードに0を刻み、自軍ベンチに戻ってくる際には、自らの気持ちを乗せるように雄たけびを上げていた。 9回完投して、162球9奪三振1失点と気持ちを前面に出し続ける魂の投球でチームに全国大会1勝をもたらした2年生右腕・小川だが、ここまでの野球人生は決して楽ではなかった。 久慈時代は最後の夏に岩手大会ベスト8進出。チームのエースとして活躍したが、1年生の夏に右ひじの疲労骨折したことで、2年生の夏までで2度の長期離脱を経験した。 「2年生まででほとんど投げることがなくて、特に2回目の時はだいぶしんどかったです。ライバルたちは公式戦でどんどん投げている状況でしたので。 でも、当時の恩師・柴田護監督に『ケガは起こることだし、お前を潰すために起きていることじゃない。覚悟を与えるためだから、いまは堅忍不抜、不動心でいなさい』って声をかけてもらって、『最後の夏に向けての成長のチャンスだ。絶対に必要な時間だったと思える時期にしよう』と思って過ごしました」