【FC東京】DF徳元悠平、苦境はねのける決勝ゴール スタジアムに響く自身の応援歌に「あんなに歌ってもらえてよかった」
◇22日 J1リーグ第19節 湘南0―1FC東京(レモンガススタジアム平塚) FC東京は、後半に途中出場のDF徳元悠平(28)が決勝ゴールを決めて競り勝った。 伏兵の一振りが苦境をはねのけた。徳元が昨年5月の川崎戦で挙げたJ1初ゴール以来となる407日ぶりの決勝弾でチームを勝利に導いた。 防戦一方の展開だったが、耐えしのいだ先に歓喜の瞬間が待っていた。後半33分にピッチに入った直後のファーストプレーだった。右サイドの中村からの折り返しに左足一閃(いっせん)。シュートは相手選手の股を抜き、「ここしかない」ゴール右下に決まった。 本当はクロスに合わせてゴール前に飛び込もうとしたという。だが、徳元は「ファーに入ろうと思ったけど、右から(長友)佑都さんが入っていったのが見えた。そこで止まろうと数秒で判断ができた。それでゴールを呼び込めた」と自身の一瞬の判断に胸を張った。 ホームゲームの前日にはトイレ掃除をして験担ぎをしてきた。徳元は「今までため込んできた運が自分のところにきて、サポーターの皆さんが喜んでもらえて良かった」と笑う。 昨年5月以来となる応援歌がスタジアムに鳴り響くと、「点を取らないと歌ってもらえない曲だと思うんで。ほぼ1年以上ぶりに、あんなに歌ってもらえてよかった」とサポーターへ感謝の思いを口にした。
〇…FC東京は湘南が放った20本のシュートの雨を耐え抜いた。試合序盤から防戦が続いたが、それでもGK野沢大とDF森重を中心に水際でゴールを守り続けた。好セーブを連発した野沢大は「押し込まれていてもタフに戦うことが大事だった。相手が隙を見せたところを見逃さないようにすれば問題ないというメンタリティーが必要だった。それを表現できた」と胸を張った。 試合終盤の守護神は、その手にシュートが吸い付くように映るほど神がかって見えた。「GKをやっていて楽しい瞬間だった」。そう振り返るとともに「僕だけでなくチームの勝利」と強調。守備の粘りが引き寄せた2試合ぶりの勝利だった。
中日スポーツ