ECB、銀行の最低準備率を1%に維持する方向に傾く-関係者
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)の当局者は、域内の銀行に金利ゼロで中央銀行への預け入れを義務づける最低準備金について、目先の変更に反対する方向に傾いている。事情に詳しい関係者が明らかにした。銀行業界で懸念されていた利益率が打撃を受ける事態は、当面回避されることになる。
部外秘の協議内容だとして匿名を要請した関係者によると、金融政策運用の新たな枠組みを巡る13日の重要な会合を前に、ECB政策委員会のタカ派委員の一部はいわゆる最低準備率(MRR)を現在の1%から引き上げるよう働き掛けてきたが、この主張への賛同は広がっていない。
決定はまだ下されていないと、関係者はくぎを刺した。MMRの水準が今週据え置かれるとしても、将来引き上げる可能性を委員らは排除していないという。
ラガルド総裁は7日の記者会見で、数カ月にわたり検証を続けていた政策運用の枠組みを巡り、今週の会合で合意を目指すと述べ、会合後の発表にはMMRも含まれると説明していた。この結果はユーロ圏への信用の流れに影響しかねないと見なす向きもおり、決定が注目されている。
MMRを巡るエコノミストの予想はこれまで割れていた。コメルツ銀行のアナリストは2%への引き上げを見込む一方、ウニクレディトでは据え置きが予測されていた。13日の決定がどうなるにせよ、理論的にはいつでも変更は可能だ。
MMRに関する決定の見通しについて、ECB報道官はコメントを控えた。
原題:ECB Officials Are Leaning Toward Keeping Minimum Reserve at 1%(抜粋)
--取材協力:Steven Arons.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Mark Schroers, Alessandra Migliaccio