“電子廃棄物の墓場”と出会い……世界が注目する美術家・長坂真護さん、ゴミのアートで「スラム街を変える」 売り上げをガーナに再投資するワケ
日テレNEWS
世界中から電子廃棄物が集まるガーナのスラム街と出会い、「スラムを変える」と決意したアーティストがいます。ゴミを使ってオブジェや絵を制作する長坂真護さん。作品は高く評価され、最高額は2億円。売り上げの多くを元手に、事業で現地に還元しています。
■作品へ高い評価…最高額は2億円
福岡市で5月に開かれた、アーティスト長坂真護さんの展覧会『Still A BLACK STAR』(スティル・ア・ブラック・スター)。 来場者は、キーボードなどで作った恐竜『Metallic dinosaur』(2200万円)を前に「これあれじゃん、電気の(コンセント)」「アイロンとキーボード」と興味深そうに見入っていました。 他にも、テレビチューナーを眉毛に、ゲーム機器を唇に見立てた『Malco』(2200万円)、洋服がパッチワークのように重なりドレスに様変わりしたオブジェ『I’m Princess』(3850万円)などが飾られていました。 この多くが、元はゴミだったものでできているといいます。長坂さんは、ゴミを画材にするアーティスト。路上で絵を描き各国を回る中、世界中から電子廃棄物が集まるガーナのスラム街と出会いました。ゴミを使った作品は高く評価され、最高額は2億円です。 約160万円で絵を購入した人は「ただ絵を描くだけじゃなくて、絵を描いてその収益でまたガーナに還元をしてという、良い循環にすごく感銘を受けました」といいます。
■制作現場にはワープロやVHSが
捨てられたものが、ガーナを救うお金に―。中島芽生アナウンサーが、制作現場を訪ねました。 長坂さんは「ここで制作をずっと毎日やっていて、去年は1000点くらい、今年も500点以上はここで1点1点制作しています」と話します。 山積みになっていたゴミには、中島アナウンサーが「懐かしい」と声を上げる物がありました。長坂さんは「これはワープロ。パソコンじゃなくて。しかも『MADE IN JAPAN』って書いてありますよ。日本で作られた物がアフリカにある」と教えてくれました。 昔のビデオテープもありました。 長坂さんは「VHSのテープとかも…。今使わないでしょ? やっぱりこういう物がゴミになっていくわけですよね。(テープの部分を)引き延ばして繊維状にして(オブジェの)髪の毛に使っています。引っ張ってまとめて髪のようにしていきます」と説明しました。