上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ
上川陽子外相は22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。 マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、22日に来日する。 中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても「国家と国民の利益にかなう正しい決断をできるだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官)と、中国を国交を樹立するよう促している。 グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部)との見方がある。 台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。 岸田文雄首相が5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。