「私は女の子だよ」…子どもが自分で選ぶジェンダー 米で広がる"新たな子育て"
日テレNEWS
生まれた子どもを「男の子」とも「女の子」とも決めず、子どもが自分で社会的な性別=ジェンダーを選ぶまで見守る…。そんな新たな子育てへの関心が、アメリカで高まりつつあります。どんな子育てなのか。ある一家を取材しました。
■「男の子」「女の子」でなく…
米・メリーランド州で出会ったのはアーロさんと、5歳のスパロウさんの親子。実はアーロさんは、ジェンダーに関する"新しい育て方"で、スパロウさんに向き合っています。 アーロさん 「生まれた時に、スパロウのジェンダーを決めませんでした」 「(男の子・女の子でなく)ただ”赤ちゃん”と呼んで、今後、自分で自分のジェンダーを決めてもらいます」 ”男の子”とも”女の子”とも決めず、子どもが自分でジェンダーを選び取るまで、見守るというのです。こうした手法はアメリカで「ジェンダー・クリエイティブな子育て」と呼ばれ、ここ数年で徐々に関心が高まっています。
■恐竜は男の子のもの?
アーロさんは、おもちゃや服など、子どもに与える物を"男の子向け""女の子向け"と分けて考えないことが重要だといいます。 アーロさん 「恐竜(のぬいぐるみ)は男の子のものだと考える親もいます」 「でも、スパロウは恐竜にピンクのドレスを着せたんです」 「男の子のものと女の子のものを合体させたような感じですよね」 さらに、服についてもアーロさんは「『男の子の色』『女の子の色』でなく『明るい色』『暗い色』」と考えています。 アーロさん 「ピンクは女の子の色、となりがちですが、私たちは男の子がピンクとオレンジの半ズボンをはきたいなら"どうぞ"と(言います)」
■固定観念を取り払い 自然に選べる環境を
「男の子向け」と思われがちな"ヒーローものの服"も、女性のヒーローが描かれているものを選ぶことで、ジェンダーのバランスを取っているといいます。「男の子向け」「女の子向け」という”固定観念”を取り払い、子どもがジェンダーを自然に選び取れる環境を整えるのです。
■きっかけはノンバイナリーの子を育てた経験
きっかけは、上の子を育てた経験にありました。 現在12歳のヘイゼルさん。アーロさんは当初、生まれた時の体の性別で育てましたが、ヘイゼルさん自身はその後、自分の性別を男性・女性という枠組みに当てはめない「ノンバイナリー」を選択したのです。 アーロさん 「親が子どものジェンダーを決めたから間違えた。次は親が選ばないようにしようと」