三島で「NAKANO yasuhiro展」 動く墨絵12点、初披露作品も
「NAKANO yasuhiro展-アナログとデジタルの融合-」が11月5日、「さんしんギャラリー善」(三島市芝本町)で始まった。(沼津経済新聞) 【写真】沼津市大瀬崎から見た富士山を描いた「fuji_002」(関連画像5枚) 沼津市在住のメディアアーティストNAKANO yasuhiroさんの動く墨絵12点を展示する。 3DCGを表示させる額縁のアクリル板に金沢産の24金金箔(きんぱく)やプラチナ箔を貼った初披露の作品「有無_001」や、沼津市大瀬崎から見た富士山を描いた「fuji_002」、仮想通貨イーサリアムのロゴマークをモチーフにし、10秒ごとに仮想通貨の価格情報を収集し価格が上がるとアイコンの色が赤くなり、下がると青くなる「SHIBUYA ART AWARDS2022」入選作品の「dimension_001」などを展示。「運命とその先にある明るい希望を表現した」という作品「hope_VI」は縦約3メートル、横約10メートルの壁にプロジェクターで投影している。 大学在学中に大手画廊に勤務し、卒業後は映像制作会社でCMやアニメ制作に携わっていたNAKANOさん。これまで、「ゴッド・ファーザー」デジタルリマスター劇場予告編のディレクションなどを手がけたという。2011(平成23)年、動く墨絵のデジタルアート作家としての活動を始め、2020年にNFTアートを始めた。墨とデジタル彫刻を使い、独自開発したアプリケーションでディスプレー表示。専用の額縁も独自開発した。和紙に墨絵を描き、デジタルデータとしてPCに取り込んだ後、3Dソフトでデジタル彫刻する。アナログ作業は自宅、デジタル作業はシェアオフィスで行い、1点の作品完成までに約3カ月を要するという。 同ギャラリーを運営する「佐野美術館」(三島市中田町)の福王寛子さんは「このギャラリーは静岡県東部エリアのアーティストの作品を紹介している。これまで思っていたメディアアートとは全然違う、見たことのない斬新な作品を制作し、世界的に活躍する沼津在住のNAKANOさんに4、5年前に声をかけた。コロナ禍の影響で開催までに何年も要したが、あの時開催していたら今回初お披露目となった『有無』3作品はなかった」と振り返る。 NAKANOさんは「『有無』は電源を切ると黒い背景になり、存在の有無を問うという、もう一つの側面がある。特殊なアクリルの上に金箔を貼った技法で、私が調べた限りでは世界で初めての作品。伝統的な日本画の技術と最先端のCGを組み合わせたアナログとデジタルの融合作品を見に足を運んでもらえたら」と話す。 開催時間は11時~16時30分。木曜定休。観覧無料。今月17日まで。
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