試合が全て白紙に…建て替え予定の野球場も被災 復旧か、建て替え早めるか議論加速へ
能登半島地震の影響で、多くの市民などが利用する新潟市中央区の野球場や球技場などにも大きな被害が出た。 【画像】高校野球でも数々のドラマを生み出してきた鳥屋野球場…被災した状況の画像はコチラから 今春には大会などが予定されているが、施設復旧の見込みは立っていない。
野球場 地震被害で使用できない状態に…
地震の被害が確認されたのは、新潟市中央区の鳥屋野運動公園の野球場と球技場、そして鳥屋野交通公園だ。 このうち、2023年に開設60周年を迎えた野球場は建物と周囲の間に30cmほどの段差ができ、この段差が長くにわたって続いていた。
真っすぐだったはずの外野の塀も曲がってしまっている。 能登半島地震の発生直後に野球場に駆けつけた館長の水島裕さんは「地震が起きた当初は茶色い水たまり、池のような感じの状態で、水が引いた後に土砂の山が跡として残った」と話す。
スタンドのフェンスもグラウンド側に向かって傾いている。 水島館長は「こんな状況の中で利用していただくことは安全面を考えればできない」と嘆いた。
予約は全て白紙 球技場や公園も使用禁止に
春以降、毎週末のように試合の予約や大会などが予定されていたが、来年度中の復旧は見込めないため、全て予定は白紙に。 使用できない現状を大会の主催者などに説明しているという。
被害は野球場の隣の球技場でも。 スタンドにゆがみがあちらこちらに確認され、立ち入ることができない状況となっていた。
子どもの遊び場として人気の鳥屋野交通公園では、ゴーカートの走行路のコンクリートに大きく陥没している箇所が見られ、使用禁止となっていた。 新潟市は3つの施設の被害状況を調査していて、施設再開の目途は立っていない。
老朽化した野球場 復旧どうなる?
一方、野球場について新潟市は、地震の前から老朽化を理由に将来的に建て替える方針を決めている。 地震被害を復旧し、もう一度試合ができるようになるのか。このまま、建て替えへと進むのか。
水島館長の思いは複雑だ。「元の姿にできれば戻ってもらいたい。最後、気持ちよく皆でプレーして、そんな姿をもう一回見たいなという思い」 新潟市は今後、野球場の被害状況を精査した上で、復旧するか、建て替えや移転するかを検討する方針で、議論を加速させたいとしている。 高校野球でも様々なドラマを生んできた野球場に、再び球音は戻ってくるのだろうか…