ハワイやブラジルへの移民…沖縄の図書館が「ルーツ」を調査、なぜ 先進的な活動への表彰で〝大賞〟
小中学生の意見で読書推進計画
ほかに選考会で発表されたのは、大阪府泉大津市立図書館「シープラ」の取り組みです。「子どもの読書活動推進計画」の策定段階で、実際に子どもの意見を取り入れたことでした。 担当者は「策定では多くの場合、有識者による会議が開かれますが、本好きの大人が考えても本を読まない子どものことはわからない。わからないことは子どもに教えてもらったらいい」と、小中学生を中心としたワークショップを開催したといいます。そこで出た意見を元に策定を進めたのだそう。 その結果できた計画の「目標とする姿」はこうです。 「様々な場所や方法で、こどもが自ら情報にアクセスすることができる環境を大人が整備することにより、わからないことは調べ、知ること読むことを喜びに感じ、伝えることができ、かつ将来への想像もできるようになる」
校歌研究で『この町でならできる」
岡山県の真庭市立図書館は、「真庭校歌研究室」の取り組みを発表しました。 真庭市では、人口減に伴い学校の統廃合が進み、戦後75校あった小中学校がいまでは26校にまで減少しているといいます。 「真庭校歌研究室」は、すべての学校の校歌情報を集めるプロジェクトで、現在全体の3分の2まで情報が集まっているそうです。 校歌を歌っている様子を動画で残し、YouTubeで配信するなどの取り組みも進めているのだそう。 他にも、来館者が企画したイベントを実行する取り組みも。例えば、本に囲まれて図書館で一泊できる「お泊まり図書館」や、「積ん読本」を紹介し合う回も開催しています。 担当者は「人口減に悩む市だが、大人も子どもも、一人一人が『この町なら何かできる』『暮らしていける』と思ってもらえるように挑戦を続けたい」と意気込みを語っていました。 国立がん研究センターの、がんにまつわる正確な知識を専門家の知見をもって図書館などを通じて全国に広げる活動「がん情報ギフト」プロジェクトについても発表がありました。
大賞に沖縄県立図書館の取り組み
一般参加者の投票によって決まるオーディエンス賞と大賞は、いずれも沖縄県立図書館の「Finding Okinawa Roots」プロジェクトが受賞しました。 原さんは「プロジェクトを通じて依頼者に喜んでいただき、感動していただくこともあり、図書館職員になってよかったと思った。この取り組みを共有させていただき、他の図書館とノウハウや経験を共有して広げていきたい」と語りました。