3代目メルセデス・ベンツCLクラスはマイナーチェンジを機にパワートレーンを刷新【10年ひと昔の新車】
完全新設計のV6エンジン搭載のS350はやや硬質な印象
S350ブルーエフィシェンシーも最高出力が272sから306psに、最大トルクも350Nmから370Nmに向上。燃費は7.6L/100km(約13.2km/L)、CO22排出量は177g/kmに過ぎない。 出力差を如実に体感できるコースではなかったが、動力性能に不満は感じられなかった。気になったのは、比較的低い回転域でペダル開度が一定でも微妙なトルク変動があること。日本未導入の以前のCGIユニットにもあったが、リーンバーン領域の拡大など相当燃焼を攻めているせいか、ちょっと気になった。 吹け上がりもシャープで、しかもバンク角を60度に改めたせいか回転を高めるほどに滑らかさを増すも、全体に手応えはやや硬質。もう少し暖かみが……とは思うが、EクラスやCクラスに積まれたなら、スポーティと解することもできそうではある。 環境問題は無視できない。しかし一方で、そのために何かを我慢させることが許されないのもハイエンドモデルの性である。その意味で、より高い動力性能とセットで大幅な燃費向上、CO2削減を実現した新しいCLクラス、Sクラスは期待に応える進化を遂げたと言えるだろう。 CL550の日本導入は、フェイスリフトされたCL600とともに秋の終わり頃になりそう。ただしスタート/ストップ機能は日本仕様には備わらないという。またS550/S350の新エンジンの日本投入時期は未定とのことだ。(文:島下泰久 )
メルセデス・ベンツ CL500 BlueEFFICIENCY 主要諸元
●全長×全幅×全高:5095×1871×1419mm ●ホイールベース:2955mm ●車両重量:2070g ●エンジン:V8DOHCツインターボ ●排気量:4663cc ●最高出力:320kW(435ps)/5250rpm ●最大トルク:700Nm/1800-3500rpm ●トランスミッション:7速AT ●駆動方式:FR ●最高速:250km/h (リミッター) ●0→100km/h加速:4.9秒 ※EU準拠
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