繁殖力が極めて強い “肉食外来魚”ブラウントラウト すでに川魚の7~8割を占める 根絶目指し駆除作業つづく 岐阜・飛騨市
ブラウントラウトの駆除が行われた飛騨市から南西に70キロほど離れた場所にある郡上市のため池で、何者かが放流したことがきっかけとみられ大量繁殖。 県の職員ら50人がかりで駆除が行われました。 ■池の水を全部抜き、「電気ショッカーボート」も投入 問題のため池は約3キロ先で清流・長良川とつながっていて、川に生息するアユなどの在来種が危機にさらされました。 問題のため池は約3キロ先で清流・長良川とつながっていて、川に生息するアユなどの在来種が危機にさらされました。 しかし根絶には至らず、最終的には池の水を全て抜いて完全駆除。 さらに長良川では滋賀県から取り寄せた電気ショッカーボート「いなずま丸」を使って駆除。 岐阜県はこのコクチバス対策に1億円以上の予算を投じ、大掛かりな対策に乗り出したのです。 ■有効活用する道も 長野では「信州サーモン」を開発 そのコクチバスと同様、生態系への深刻な影響が懸念されるブラウントラウトもなんとかしなければなりません。 長野県では有効活用するため、ブラウントラウトとニジマスを交配させて養殖魚「信州サーモン」を開発。 アメリカのバイデン大統領が、おととし来日した際の夕食会やG7の外相会合でも振舞われました。 養殖サーモン特有の臭みがないのが特徴です。 ■根絶できるか…地道な駆除作業つづく (岐阜大学 地域科学部 向井貴彦 教授) 「魚は乱獲するといなくなると言われるが、数を減らすことはできるが全部取り尽くすのは本当に難しい。外来種問題には、どれも付きまとう話で、根絶できない限りは(元の小鳥川を)取り戻せないかもしれない」 飛騨市を流れる小鳥川のブラウントラウトは根絶に至る手立ては見つかっておらず、漁協は今後も地道な駆除作業を続けていく予定です。 (宮川下流漁業協同組合 森下真次 組合長) 「ブラウントラウトが釣れたときは川へ戻すことなく処分してほしい。他の河川やこの河川には放流してほしくない」
CBCテレビ