カカオ豆先物が再び最高値更新、実需が主導-投機筋の買越幅は減少
(ブルームバーグ): 1日の取引でカカオ豆先物が最高値を更新した。だが、投機筋の買越幅は17カ月ぶりの低水準に減少しており、実需業者が上昇の主な役割を担っていることがうかがえる。
ニューヨーク市場の中心限月は一時、前営業日比4.4%高の1トン=10193ドルと、取引時間中の最高値を更新した。西アフリカの主要生産者の不作により、世界全体で3年連続の供給不足に陥る見通しとなったため、先物価格は今年に入って2倍余りになっている。
価格が上昇する中でも投機筋は買い持ちを減らし続けており、ニューヨークとロンドンのカカオ豆先物市場で買越幅の合計は週間で約1年ぶりの大幅減少となった。
買越幅の縮小と未決済約定残高の減少は、現物の買い手が上昇に一役買っている可能性を示している。実需筋の売越幅縮小は「実需のショートカバーによって上昇に拍車がかかったことのさらなる証拠だ」と、ハイタワー・リポートのアナリストは1日のリポートで指摘している。
ブルームバーグ・インテリジェンスのストラテジスト、マイク・マクグローン氏は、ニューヨーク先物は過去5年の平均の3倍余りになっているとし、「かつてないほど伸び切っている」と指摘。「ヘッジしている生産者が圧迫され、極度の痛みを伴う可能性があるというのがわれわれの見立てだ」と述べた。
テクニカル指標によれば、カカオ豆価格は急騰し過ぎた可能性があるが、多くのアナリストはまだ天井を付けたとは見ていない。
コートジボワールでの2回の収穫期のうち、小規模な方のミッドクロップが4月に正式に始まる。ブルームバーグが先月報じたところによると、コートジボワールのミッドクロップ収穫量は40万-50万トンと、前年の62万トンから減少する見通しで、世界的な供給逼迫(ひっぱく)を解消するには不十分だろう。
ハイタワー・リポートのアナリストは「来週の降雨は作柄にプラスに働くかもしれないが、今年は例外的に暑く乾燥した状況にあり、今週から正式に始まるミッドクロップへの期待は低下している」と記述している。