現代の「セチュアンの善人」を探す、田中壮太郎演出の劇団俳優座公演スタート
「劇団俳優座 No.357『セチュアンの善人』」が、本日9月20日に東京・俳優座劇場で開幕する。 【動画】劇団俳優座「セチュアンの善人」PV(他7件) 1944年に創立された劇団俳優座は、1954年に劇団・劇場・研究所の各セクションが独立した。今回は、劇団俳優座80周年、俳優座劇場70周年、劇団俳優座養成所の伝統を受け継ぐ桐朋学園芸術短期大学の60周年を記念して、3セクションが結集。ベルトルト・ブレヒト作「セチュアンの善人」を、田中壮太郎の脚色・上演台本・演出により上演する。 物語の舞台は、人間が人間を搾取する架空の町セチュアン。そこに住む男娼のシェン・テは、神様に一晩宿を提供し、返礼としてちょっとした金を手に入れる。シェン・テがそれを資金に小さな店を開くと、うわさを聞きつけた知人が店へ押し寄せて来るようになった。困ったシェン・テは架空の人物いとこのシュイ・タに変装し……。 開幕に際し、田中は「資本主義では善人はまともに生きていけない──社会主義こそ……、そんな思想を秘めたブレヒトの問題作。俳優座が過去に何度も上演してきた作品だからこそ、2024年の僕らがどう上演するかが問われているのだと思っています。遠い未来からみたら、なんであんな事が正義や善とされていたのかというのが歴史だと思います。今僕らが選んでいる資本主義も未来からみたらきっと幼稚に映るのではないでしょうか。40人弱の大所帯、学生も混ざり全員で現代の『セチュアンの善人』を探します」とコメントした。 上演時間は休憩ありの約3時間。公演は9月28日まで。 ■ 劇団俳優座 No.357「セチュアンの善人」 2024年9月20日(金)~2024年9月28日(土) 東京都 俳優座劇場 □ スタッフ 原作:ベルトルト・ブレヒト 脚色・上演台本・演出:田中壮太郎 翻訳:市川明 ドラマトゥルク:新野守広 □ 出演 遠藤剛 / 青山眉子 / 片山万由美 / 中寛三 / 伊東達広 / 松本潤子 / 加藤佳男 / 山本順子 / 坪井木の実 / 千賀功嗣 / 八柳豪 / 加藤頼 / 小林亜美 / 小泉将臣 / 森山智寛 / 辻井亮人 / 椎名慧都 / 小島颯太 / ほか桐朋学園芸術短期大学学生