JAL、海外整備士にBuddycom 映像や自動翻訳活用し情報共有強化
サイエンスアーツ(4412)は9月3日、同社の多機能IP無線アプリ「Buddycom(バディコム)」が日本航空(JAL/JL、9201)の海外空港の整備部門に採用されたと発表した。JALは海外にいる整備士と、日本のサポート部門との連絡ツールとして導入した。 【画像】複数グループを同時確認できるBuddycomのWindows版 JALは海外41支店のうち、フランクフルトやニューヨーク、ロサンゼルスなど14支店にBuddycomを導入。従来は携帯電話やiPhoneやiPadのビデオ通話アプリ「FaceTime」などで連絡を取っていたが、1対1のやり取りのため担当者同士でしか詳細がわからず、周囲の関係者には伝言する形になっていた。Buddycomの導入でグループ通話ができるようになり、情報共有のスピードや正確性を高めた。 機材の不具合が発生した場合、言葉や画像だけでは伝わりにくい事例もあり、現場から映像を配信しながら会話することで、海外にいる整備士と日本のサポート部門が正確に情報共有し、対策が取れるようになったという。 また、外国人整備士などとの英語によるコミュニケーションは、英語が母国語ではないスタッフにとっては心理的なストレスにつながっていたことから、Buddycomのリアルタイム翻訳機能を活用したり、やり取りの履歴が残ることで微妙な伝え間違いがないかの確認などを削減できたという。 海外支店の現場ではiPadやiPhone版のBuddycomを使用し、日本のサポート部門はWindows版を導入。日本からは全世界の拠点を支援するため、同時に16グループと接続して複数のスタッフによるサポートを行えるようにした。スマートフォンアプリのBuddycomと比べ、Windows版は複数のグループを同時に確認できる。 JALグループでは、100%出資の整備会社JALエンジニアリング(JALEC)が2018年からBuddycomを導入。空港などでも活用を進めている。JAL整備本部の上田敦司・海外支店担当部長は「海外全拠点での導入を検討している。JALグループではAIに関する研究開発を進めており、今後Buddycomと連携することで、整備士が人を介さず、かつ両手をふさがずにマニュアルを見られるようにするなど活用を進めていきたい」とコメントした。
Tadayuki YOSHIKAWA