“バイクのバブル時代“今は昔 人気復活へ多様性に活路
かつて爆発的な国内販売台数を誇ったバイク。低迷の今、どこに向かうのか―。先月、東京ビッグサイトで開かれた「第44回東京モーターサイクルショー」は、関連業界やバイクファンが今年もそんな思いで会場を訪れました。若者の趣味の多様化、貧困、多くの法規制などが最近の国内市場低迷の原因ともいわれる一方、バイク文化の多様化と熟成で市場を切り開こうとする動きも。新たな挑戦が加速するのか、会場に見てみました。 【写真】バイクの販売不振 「原付」が半減、駐車場不足も課題
国内販売は全盛期の7分の1
主催者の東京モーターサイクルショー協会(赤坂正人会長)によると、今回は展示会場を増床し、国内外のメーカー、販売代理店、パーツ・アクセサリー業界、出版社など過去最多の155社・団体が参加。車両の展示を中心にプロのライダーのトークショーや警視庁の交通安全イベント、関連業界のアンケートや署名活動など多彩に繰り広げました。一時の悪天候にもかかわらず会場は多数の入場者で埋まり、その顔ぶれも若者から中高年までの男女のバイクファン、子ども、家族連れなど幅の広さが特徴でした。 イベントでこれほどのにぎわいがありながら最近の国内販売は激減。経産省によると2014年の二輪車の世界市場(6344万台)に占める日本ブランドは42%と圧倒しながら、「国内販売は327万台(1982年)から46万台(2013年)へ大きく減少した」。一時の7分の1という衰退ぶりです。
多くの関係者がその背景を分析しながらも、対策の根拠となるような原因は不明。会場の大手メーカー販売店社長は「バイク不振の原因も将来も分からない。一体自分たちはどうしたらいいのかも分からない」と告白するほど。最近話題になることが多い中高年のリターンライダーについても「リターンライダーは高年齢だから先行きを考えれば多くの期待はできない」。 現象面で見ると「以前は16歳、高校生になった男の子は親と一緒に真っ先にバイク店に現れて購入する車種を決める姿が見られたが、今はほとんど見かけない」と同社長。業界でよく指摘されるのは、かつての「免許を取らせない、バイクを買わない、乗らない」という高校の「3ない運動」の後遺症。社長は「若者たちの趣味の多様化、125CC以上のバイクは置けないというマンションの事情など、ほかにもいろいろ考えられる」とも言います。