「とにかく怒られるのが嫌だった」1歳で芸能デビューした岡田結実が“意識して変えた”こと
1歳でジュニアモデルとしてデビューし、2010年からは『天才てれびくん』(Eテレ)で活躍。現在、俳優として活動している岡田結実さん(24歳)。 公開中のサスペンスホラー『他人は地獄だ』ではヒロインを演じている岡田さんに、単なるホラー作品に留まらない本作の魅力を聞いた。また、いつもしっかりしていて何でも器用にこなせるイメージの岡田さんに、苦手なこと、克服したいことを訊ねた。 ⇒【写真】アザーカット
すごく怖いけど、参加できて嬉しい作品
――ホラーは得意ですか? 岡田結実(以下、岡田):いえ、怖くて。テレビで流れていても、布団に入って見えないようにしているタイプでした。そうじゃないと悪夢とか見ちゃうし。 でも今回お話をいただいて脚本を読んだら、人が追い込まれたときに出てくる、その人自身の恐怖や“黒い部分”といったところに感じる怖さのお話だったので、すごく怖いけれど、参加させていただけるのは嬉しいなと。全部読み終わって、気づいたら私もその世界に引きずり込まれていました。 ――『他人は地獄だ』の恐怖は、地方から上京してきた主人公のユウ(八村倫太郎)が、ある格安シェアハウスに入居したことから始まります。確かに単純なホラーとも違う、“人の黒い部分”が見えてくる作品ですが、それって、さらに怖くないですか? 岡田:だから“他人の地獄”は観ちゃダメなんです。って、そう言ってもらってる作品なのかと。ユウを見ているとどんどん追い込まれて、最初は自分が「怖い」と言っていた側に回っていく。 人の深層心理の奥にあるような地獄は開いちゃダメだし、追い込まれたら誰しもが一線を越えてしまうかもしれないと教えてもらったと同時に、自分も気を付けようと思いました。
「他人は地獄」であり「自分の中にも地獄はある」
――『他人は地獄だ』というタイトルにはどんなことを感じました? 岡田:他人という主語にはなっていますが、「自分の中にも地獄はあるんだよ」と遠回しで言っているのかなと。追い込まれて、お金もなくて人もいなくて、地獄みたいなところに行ったときに、自分はユウのようにならないのかといったら、一瞬戸惑ってしまう。 他人事だとは思わない。他人は自分の鏡だとも言いますから。そういうことも含まれたタイトルなのかなと思います。 ――岡田さん自身、追い込まれた経験はありますか? 岡田:ここまでの出来事ではありませんけれど、もちろんあります。たとえば、ありがたいことに、ドラマで主演をさせていただいたときなどですね。 未熟ながらも「座長なんだから」とか、自分で自分を追い込んでしまった時がすごくあって、スタッフさんや共演者さん、みんなのことを考えているつもりなのに、気づいたら自分のことしか考えられていなかったりして。 結局は自分が傷つきたくないとか、そういう考えがあるからなんだろうなって。ユウを見ていても、自分の頭の中の世界でしか考えられなくなっていくのは仕方のないことですよね。 でもだからこそ、自分の意見と反対のことを言ってくれる人が現れたときは、突っぱねないようにしたいと、この映画を観て改めて思いました。