宮沢賢治関連施設 魅力は トルコの翻訳家ら視察 国際交流基金招聘事業 岩手・花巻
国際交流基金のトルコ日本文学翻訳者招聘(しょうへい)事業で来日している一行は10日、花巻市内の宮沢賢治関連施設を視察に訪れ、作品世界の原風景に思いをはせた。 日本、トルコの外交関係樹立100周年記念事業の一環で、日本語からトルコ語への文芸翻訳を志す若手翻訳家や教育関係者ら7人が4日から16日まで日本に滞在。文学エクスカーション(視察旅行)として10日は宮沢賢治記念館(同市矢沢)や宮沢賢治イーハトーブ館(同市高松)などを見学したほか、遠野市では民話を聞いたり、花巻市出身の作家柏葉幸子さんと交流したりして宿泊した。 日本文学が専門分野というアンカラ社会科学大のヌライ・アクデミル准教授は「ユートピアなどの研究をする中、宮沢賢治の作品や農業の取り組みなどを学んでおり、こういう自然がきれいで静かな場所に来てイメージを感じた。『雨ニモマケズ』などは生きるために何をするかや、強い体で人を助けることに触れており仏教にも関係している。日本の文化や歴史、社会を勉強できるのも日本文学の魅力だ」と話していた。