<センバツ>星稜エース・奥川、勝負どころ制球甘く 「初戦の影響、精神面にあった」
◇第91回選抜高校野球2回戦 ○習志野3-1星稜●(28日・甲子園) 打球を見送ると、星稜の奥川恭伸(やすのぶ)投手は思わず帽子を取り、奥歯をかみしめた。1点リードされて迎えた九回。1死から8番・兼子に対し「絶対に点をやらない」と力んで投じた直球が高めにいった。左翼席に運ばれた。 【ダイジェスト動画】この試合の注目プレーを見る 自慢の直球は149キロを計測しながらも「(球の)走りもよくない。変化球もいまいち。少し体の重さを感じた」と状態の悪さをマウンドで自覚していた。自らの判断で打たせて取るスタイルに変えたが、勝負どころで制球が甘くなった。 「大会ナンバーワン右腕」の呼び声通り、1回戦・履正社戦で17三振を奪って完封した。しかし、優勝候補同士の激戦の影響が精神面にあった。「(初戦と違って)最後まで向かっていくという姿勢を崩してしまった」。わずかなほころびが致命的になった。 投手としての完成度は同世代の中で群を抜く。その素質があるからこそ、世間の期待は大きい。「周りの声に合った実力をこれからつけたい。期待には全然応えられていない」。3度目の甲子園で、またも厳しさを教えられた。【生野貴紀】