ディズニー・スプリングスのレストランで悲劇……。

2023年10月、フロリダ州にあるディズニー・スプリングスのラグラン・ロード・アイリッシュ・パブ＆レストランで食事をしたニューヨーク大学附属病院のカノクポーン・タングスアン医師がアレルギー反応により死亡した事件で、彼女の夫がレストランを告訴した。 【写真】食品、化粧品、動物……アレルギーを持つセレブ30人 2月下旬に提出された正式な告訴状によると、彼女はナッツと乳製品に重度のアレルギーがあると何度もスタッフに注意。特定のメニューをアレルギーの出ない食材で作れないか明確に頼んだという。夫妻がオーダーした野菜のフリッター、帆立貝の揚げ物、ヴィーガンのシェパーズパイ、オニオンリングは食べても安全だとスタッフは断言したとNBCニュースは報じている。 タングスアンと夫のジェフリー・J・ピッコロは、アレルゲンについて何度もたずねたが、きっぱり安全だと言われたという。だが悲しいことにそれは間違いで、彼女はその夜、アナフィラキシーで死亡した。 夜8時頃にレストランを出た後、夫のピッコロはホテルに帰ったが、彼女は残ってショッピングに行った。ところが、8時45分頃に息が苦しくなり始め、近くのレストランに駆け込んで倒れた。 「彼女はラグランで提供された料理による重度の急性アレルギー反応に襲われた」と訴状では書いている。彼女はエピペン（アレルギー患者が緊急時に備えて携帯するもの）を自分で投与し、病院に急送されたが、その後亡くなった。 夫ピッコロは妻の携帯に電話したところ、近くにいた人が応答したため、救急医療の必要性を察知。病院に駆けつけたが、妻はすでに死亡していた。 料理にアレルゲンが含まれていないことを再三確認したにもかかわらず、解剖の結果、彼女の体内からは乳製品とナッツが発見された。 訴訟では、レストランとディズニー・パークス・アンド・リゾーツの両者を被告として過失を主張。ピッコロは損害賠償金5万ドル（約750万円）を求めている。 原告側専門弁護士の調査員ニコラス・F・ドゥベリスはNBCに、被告側はまだ訴状を送達されておらず、正式な返事はないが、双方の弁護士は連絡をとったと述べている。 タングスアンが医師として勤務していたニューヨーク大学ランゴン・ヘルス大学病院は先週、彼女の死について、「タングスアン医師の死を深く悲しむとともに、ご家族に心から哀悼の意を表します」とEメールで声明を出した。