仮契約を終え熊野スカウト（左）から帽子をかぶせてもらうドラフト2位指名の今朝丸（撮影・加藤哉）

　「火の玉ストレート」＆「お化けフォーク」習得で夢のプロ200勝だ！　阪神ドラフト2位の報徳学園・今朝丸裕喜投手（18）が17日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。指名直後や指名あいさつ時より柔らかい表情も「いよいよプロ野球という世界に入るんだな」と気を引き締め、レジェンド右腕2人の代名詞に照準を定めた。 　187センチの長身から最速151キロの直球とフォークなど多彩な変化球を繰り出す。中でも右腕が「持ち味」と自負するのは直球だ。「しっかりプロでも磨いていこうと思います」。目標は「藤川監督の火の玉ストレートです」と力強い。先輩となる才木が前日16日にプレミア12・台湾戦で熱投した姿も目に焼き付けた。「ストレートでファウルを取れる。自分もそういう投手になりたい」。指揮官のみならず、今季のタイガース勝ち頭にも羨望（せんぼう）のまなざしを向けた。 　変化球も磨く。「自信があるのはフォーク。もっと精度を上げていければ打たれないんじゃないかな」。同球種の理想はメッツ千賀の代名詞「お化けフォーク」だ。メジャーでも並み居る強打者をきりきり舞いにする決め球に近づけるため「数を投げていく中で誰かに聞いてみたい」と目をギラつかせた。 　「200勝投手という目標がある」。仮契約後にはドラフト前から掲げていた入団後の大きな夢を再度宣言した。「楽しみ」と語る新2軍施設で鍛錬を積み、息の長い野球人生を作り上げる。【塚本光】（金額は推定） 　▼阪神熊野スカウト（担当した今朝丸と本人が目標にする才木を比較して）「才木は剛球で、今朝丸はしなやかで伸びる。2人で投げる姿を早く見てみたい」 　◆今朝丸裕喜（けさまる・ゆうき）2006年（平18）6月2日生まれ、神戸市出身。東灘小3年時に横屋川井少年野球部で野球を始めた。本庄中では関メディベースボール学院中等部に所属。報徳学園では1年秋からベンチ入り。背番号10で2年春と3年春は2年連続センバツ準優勝に貢献した。今夏は背番号1で甲子園に出場し、秋に阪神にドラフト2位指名された。最速151キロ。遠投100メートル。187センチ、77キロ。右投げ右打ち。