「なぜか意欲がわかない」「仕事のパフォーマンスが…」実はそれ<男性の更年期>なのかも。医師「男性の症状は『うつ病』と間違いやすい」
2019年に厚生労働省が発表したデータによると、日本人の平均寿命と健康寿命の差は男性が8.73年、女性が12.7年だそう。これは寝たきりや要介護状態など、自立した生活ができない状態で過ごす期間が「男性は8.73年」「女性は12.7年」あるということです。そのようななか、「更年期をどう乗り越えるかが、のちの人生を左右する」と話すのは、医師の森勇磨先生。その森先生いわく、「男性の更年期症状は自覚しにくい」そうで――。 【書影】病気になりたくなければ、食べ物と習慣を変えるべき!森勇磨『最新予防医学でここまでわかった 50歳からの病気にならない最強の食生活』 * * * * * * * ◆男性の更年期症状 女性の更年期症状は女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量低下が原因ですが、男性の更年期症状は、精巣で作られる男性ホルモン「テストステロン」の分泌量低下が原因で起こります。 テストステロンは、「男性らしさ」を作るホルモンです。骨格や筋肉、体毛など男性らしい体を作るほか、生殖機能の向上や維持、精神面の健康にもかかわっています。思春期に急激に分泌量が増え、20代前半をピークに、その後は加齢とともに徐々に分泌量は減っていきます。 男性の更年期症状の特徴を挙げましょう。 ●性欲の衰え ●手足が細くなり、おなかだけポコッと出ている ●以前よりも仕事のパフォーマンスが下がってきた ●何事に対しても意欲がわかない ご自身やご家族のなかに、心当たりのある方はいませんか? 「あれ? 自分も(パートナーも)当てはまるけど、まさか……」と思われたあなた、どうかその感想を気のせいと切り捨てないでください。 じつはこの「まさか」こそ、男性の更年期症状の厄介なところなのです。
◆LOH症候群 女性の場合、更年期にエストロゲンの分泌量が一気に減るので、更年期症状も比較的はっきりと現れます。 一方、男性の場合、テストステロンの分泌量は少しずつ減っていくので、明らかな症状が出にくいのです。 そのため、症状に気がつかなかったり、また気づいたとしても、気のせいと思ってやり過ごしてしまう方が多いというのが現状です。 これらの症状が出現していて、かつ血液検査でテストステロンの数値が明確に低い場合、LOH症候群(加齢性腺機能低下症)の診断を受けます。 LOH症候群は別名「男性更年期障害」と呼ばれます。
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