岡山戦、「堅守」の隙逃さず あす1日、ホームで昇格PO準決勝
サッカーJ2・モンテディオ山形が10年ぶりのJ1昇格を懸けるプレーオフ(PO)の初戦・準決勝まで、あと1日に迫った。山形は12月1日午後2時から、天童市のNDソフトスタジアム山形で岡山と対戦する。失点がリーグで2番目に少ない29と堅守のチーム。山形は攻撃力が持ち味だが、いつも以上に1点の重みが増す戦いになりそうだ。 1点の重み増す戦いに 岡山を率いる木山隆之監督は3年目。2019年まで山形を3年間率いた、堅守を構築する手腕に定評がある指揮官だ。岡山は17勝14分け7敗で年間5位となった。今季のJ2で最も引き分けが多く、山形との2度の対戦も、いずれもドローだった。 ボランチのMF藤田息吹を中心に高い運動量を誇る選手が多く、守備時のハイプレスで相手の組み立てを封じる。こぼれ球の奪い合いやシュートブロックなど球際の徹底したプレーが特徴だ。得点数は48でリーグ10位と多くはないが、セットプレーからは18得点を挙げており、清水などと並んでリーグ1位。コーナーキックやフリーキックで先制点を奪い、守り切る戦い方を得意とし、上位をキープした。
山形の年間順位は4位。POで年間上位は、ホーム開催と、引き分けでも勝ち進むアドバンテージがある。しかし岡山は従来の戦術を大きく変えず、セットプレーやハイプレスからのショートカウンターで1点をもぎ取る展開を狙っていると予想される。 山形は今季対戦した2試合で、両ウイングがサイドの深い位置に走り込み、低く速いクロスを送る攻撃で得点を決めた。5月にホームで行われた1戦目の第13節では、センターバックからのロングパスを左ウイングのMF坂本亘基が受け、クロスが相手DFに当たってオウンゴールとなった。8月にアウェーで行われMF土居聖真が初出場した第25節は、右サイドをMFイサカ・ゼインとFWディサロ燦シルバーノの連携で突破し、イサカのクロスに土居が合わせた。 ただ両対戦とも山形は岡山のハイプレスに苦しめられ、攻撃の組み立てで思い通りのプレーができる時間がかなり少なかった。今季3戦目となるPOでは、山形が高めた攻撃力で岡山守備網を突破することが理想。もし同点の時間帯が続いても、決勝に進むために勝利が必須条件の相手は、必ず前がかりになる場面が来る。その隙を見逃さずにつけ込むことも重要な鍵になる。