森香澄がぶつかった“大きな壁”「アナウンサーになる人は、品格のようなものが違うんだと…」
元テレビ東京アナウンサー・森香澄さんの好評連載第七回。 今回も、母校である東京女子大学での撮り下ろしカットとともに思い出の エピソードをお届けします。将来の目標が見つかったことで新たに直面した課題とは――? 【撮り下ろし写真を見る】森香澄 学生時代を過ごした東京女子大学を訪れ、思いにふける
当時はまだ、誰かに認められた経験や感覚がなかった
大学に入って、ヘアやメイクの進化はそれなりにありましたが、ファッションは、今考えると「なんでそんなに大きなリボンつけてるの?」と突っ込みたくなるようなラブリー系も多かったなぁ(涙)。かなり恥ずかしくもあります。当時は、大きいリボンだったり、フリフリしたファッションも流行ってたんです(笑)! 1年生のときは、ミモレ丈っていう、ふくらはぎの真ん中ぐらいのロングスカートが流行っていて。今考えると、私的には脚が一番太く見えるスカート丈だったのですが、そのときはそれが流行ってましたね。あまり思い出したくないファッションの失敗談は他にもたくさんありますが、失敗を経たから、今があるんだと自分を納得させています(笑)。 大学1年のときに、「女子力」みたいなことがぽやぽやと身について、大学2年になると、今度は芸能のお仕事を少しさせてもらうようになりました。縁あって、事務所に所属したのですが、そこから、また私の周りの世界が激変します。とにかく、会う人会う人、洗練された人たちばかり。見た目だけじゃなくて、身のこなしや、ちょっとした会話にしても、一瞬で素敵な印象を残す人たちを目の当たりにして、私はそのとき、それまでにあまり感じていなかったコンプレックスを強く抱くようになりました。みなさん、外見ももちろん綺麗なんですが、内側から滲み出る清楚さや聡明さが素晴らしかったんです。 そのときは、アナウンサーになる人は、もう最初から品格のようなものが違うんだと打ちのめされたんですが、一方で、この人たちに少しでも近づきたいという思いや、もっといえば“野心”みたいなものも芽生えてきました。当時は、内面を磨く方法なんかわからず、メイクを研究したり、大人っぽいファッションにチャレンジしたり、いろいろ試行錯誤して一生懸命やっていたんですけど、全然ダメで。空回っていた大学2年生頃が、自分の人生で、一つの大きな壁にぶち当たった時期だった気がします。