【追求】なぜ騙されてしまう? 「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」が急増中…巧妙化する手口とは
■警察の対策急務
こうした状況を受け今、愛媛県警は様々な対策に乗り出している。 5月27日。県警は松山市の商業施設でSNS型詐欺を中心に被害防止を呼び掛けるイベントを県内で初めて行った。 「だまされん診療所」。SNSやインターネットの利用などに関するアンケートに答えてもらい、結果に応じて処方箋ならぬ啓発チラシを配布した。 診断を受けた県民からは「テレビを見ていても他人事だが、ここで聞くと俺も危ないかなという気持ちになった」などと感想が寄せられ、自分事として感じてもらうのには効果的な活動だと取材した記者は感じた。
そして、きょう。県警本部の会議室には県警の山浦親一本部長をはじめ、刑事部門の幹部ら50人ほどが集まった。議題は「特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺、匿名流動型犯罪グループへの対策強化」。 対策強化が急務であることが伺える。 冒頭、県警の山浦親一本部長は急増するSNS型投資・ロマンス詐欺について、「これ以上の被害の拡大を食い止めるため、効果的な広報・啓発、あるいは投資詐欺サイトに誘導する偽広告対策、抑止対策についても取り組んでいただきたい」と訓示した。 被害は今年に入り、さらに深刻度を増している。会議で明らかにされたSNS型投資・ロマンス詐欺の速報値は5月末までで合わせて69件、被害総額は約6億3000万円。記事の冒頭で示した去年一年間の県内の被害総額約5億6000万円をすでに上回っているのが現状だ。 全国すべての警察では今年4月、SNSを使った詐欺や匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」に対応するため「特殊詐欺連合捜査班」が設置された。広域で犯罪を続ける詐欺グループに対し、全国の警察が一体となって捜査を行い、摘発する仕組みだ。 全国、そして県内でもこれだけの被害が相次いでいる今、警察の総合力、愛媛県警の意地に期待したい。と同時に、私たちも今一度、自分の投資口座、SNSやインターネットの利用環境を注意して確認したり、「投資勧誘」についてより慎重になりたい。