インド国債、投資呼び込み期待-JPモルガン指数きょう組み入れ開始
(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースによる新興市場債券指数へのインド国債組み入れが28日に始まる。1兆3000億ドル(約208兆9000億円)規模のソブリン債市場の門戸がより広範な投資家に開かれ、数十億ドルの新たな資金を呼び込むと期待される。
JPモルガン、インド国債をグローバル指数組み入れ-投資拡大に期待
昨年9月の発表以降、グローバルファンドは110億ドル近い資金をインデックス適格債に投入した。JPモルガンは今後10カ月で200億ドルから250億ドルの資金流入を見込む。外国勢の保有比率は現在の2.5%から4.4%に上昇する見通しだ。
力強い経済成長と中央銀行が支える安定した通貨が魅力となり、インド債は新興国市場の投資家に選好される。ブルームバーグの集計データによると、ソブリン債も社債もこのままいけば、11年ぶりに6四半期連続で外国資金の流入超を記録しそうだ。
JPモルガン指数が呼び水、インド債に400億ドル流入も-魅力高まる
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のインド・トレーディング責任者ビカス・ジャイン氏は「われわれが目にしているフローの大部分は、インデックスに連動する投資家主導によるもので、かなりの継続性があるはずだ。債務の国内総生産(GDP)比率低下、安定したマクロ、インド債の良好な需給がプラス要因だ」と指摘した。
ブルームバーグの集計データによれば、インド国債の年初来のリターンはプラス5.3%と、インドネシアの自国通貨建て債(プラス1.3%)を上回り、これまでのところアジア最良のパフォーマンスを示す。
非居住者が上限なしに購入できるフーリィーアクセシブルルート(FAR)債がインデックス適格債となるが、このうち28銘柄は4000億ドル余りに相当し、インド債が指数に占めるウエートは最大10%と中国に匹敵すると予想される。
DBSグループ・ホールディングスのシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「他の指数を構成するインド債の利回りは比較的高く、アクティブ運用の主体にオーバーウエートスタンスへの移行を促すこともあり得る」と見解を示した。