インドはかつての中国のような10%近い高成長見込めず-モルガンS
(ブルームバーグ): インドは中国がかつて維持したような8-10%の高成長を達成する可能性は低いとモルガン・スタンレーのチーフ・アジア・エコノミスト、チェタン・アーヤ氏が指摘した。ただモルガン・スタンレーはインド経済の先行きについて楽観的な見方を変えていない。
アーヤ氏はブルームバーグテレビジョンのハスリンダ・アミン氏とのインタビューで、インド経済は長期的に6.5-7%で着実に成長する公算が大きいと発言。またインドが中国に代わって世界的な製造ハブになる可能性は低いと述べた。
中国政府のデータによると、改革開放路線が打ち出された1978年以降の30年間の中国成長率は平均で10%だった。
アーヤ氏はインドの経済成長を妨げているのはインフラ不足と未熟練労働者だとし、「この2つの制約を考慮して、われわれはインドは高成長を遂げるものの、成長率は8-10%には届かず6.5-7%程度にとどまると予想している」と説明した。
ただモルガン・スタンレーはインド経済見通しについて楽観的な見方を変えておらず、直近のリポートで現在の景気拡大は投資の増加に後押しされた2005年前後の好景気に似ていると分析している。
アーヤ氏はインドは「正当な地位を得るだろう」とし、資本フローの増加や世界の海外直接投資におけるインドのシェア拡大に経済改善の初期兆候が見られると述べた。ただ製造業でインドが中国に取って代わったり、競り合う可能性は低いと指摘した。
インドは23年10-12月に8.4%成長を記録したが、エコノミストたちはこのデータの強さについて疑問を呈している。政府高官は今年4月からの新会計年度の成長率が7%になる可能性が高いとしている。今年度は7.6%成長となる見込み。
原題:India Can’t Match China’s Past 8-10% Growth, Morgan Stanley Says(抜粋)
--取材協力:Anand Menon.
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Anup Roy