「カウンタック」は「25thアニバーサリー」でも1億円超え! パガーニの創設者がデザインを担当したランボルギーニという価値がそろそろ浸透しはじめた!?
サスペンションの見直しも図られた
この創立25周年記念モデルは、ホモロゲーションの取り直しを必要とすることなく、可能な限りのリスタイリングが施される。コスメティックや人間工学、メカニックの面で、このモデルは事実上、25周年記念バッジのもと新たに誕生したカウンタックだった。 この記念碑的な開発作業を行うために、当時ランボルギーニ社内のスタッフだったオラチオ・パガーニと、当時は社外コンサルタントとしてランボルギーニに参画していたラリー界のレジェンド、サンドロ・ムナーリに白羽の矢が立てられる。 パガーニ氏はフロントバンパーやリアフェンダーのエアスクープ、テールランプを再デザイン。彼のデザインによるグラウンドエフェクトも意識したリアバンパーが、カウンタック史上初めて装着された。そのかたわらムナーリ氏のテストと監修により、サスペンションの見直しも図られ、前後のタイヤサイズは最大化された。 この変更により、0-60mph(約0-96km/h)加速タイムのベンチマークを0.5秒低下させるのに十分なグリップが得られたと言われている。くわえて、インテリアではクライメートコントロール、パワーウインドウとパワーシートが標準装備化されたほか、シートやステアリングアッセンブリーも刷新された。
もとは中東にデリバリーされた個体ながら、ついに1億円オーバーに到達
このほど「The Dare to Dream Collection」オークションに出品されたカウンタック25周年記念モデルは、シャシーナンバー「KLA12078」。調査によると、1990年7月27日にサウジアラビアの「アル・アジダ・オートモーティブ」社に新車で納車された個体である。特筆すべきは、このカウンタック ユビリオに搭載されるランボルギーニV型12気筒エンジンが、当初よりパワフルなキャブレター仕様であることだ。 その後、2014年に「The Dare to Dream Collection」に譲渡され、そのまま現在に至っているようだが、北米での車両登録履歴をFAXで取り寄せられる「カーファックス」の資料によると、購入時の走行距離はわずか621kmに過ぎなかったようだ 新車としてデリバリーされた際から「ロッソ・シヴィリア(Rosso Siviglia)」のボディカラーに、ロッソのパイピングが施された「シャンパン」レザーのインテリアが組み合わされた、このランボルギーニのオドメーターは、RMサザビーズ社が公式ウェブカタログを作成した際にも、わずか2660kmを示していたという。 2014年に作成されたサービスインボイスによると、このクルマは現オーナーへの譲渡直前にコスメティックの大規模な手直しが行われていたようだ。外観のペイントの色調を一貫したものとするべく、ボディ全体にわたり再塗装され、必要に応じて内装のレザーが補修された結果、こんにちの整然としたエクステリアとインテリアが実現した。また現在では、純正ポーチつきのツールキットとサービスマニュアルも付属している。 モータージャーナリストのジョニー・リーバーマン氏が2022年8月の米『Motor Trend』誌のレポートで述べているように、「カウンタックはスタンスであり、心構えであり、あるべき姿の記念碑である」。たしかにこれは、真のエンスージアストなら誰もが支持する結論だろう。 魅惑的な「スーパーカー」というジャンルにおいて、紛れもないアイコンであるランボルギーニ カウンタックは、そのパワフルなV12エンジンと大胆で革新的なデザインによって、フェラーリやマセラティというライバルスポーツカーメーカーに対抗する真のプレーヤーとして、ブランドを確固たるものにした。そしてパガーニとムナーリは、カウンタックを以前のモデルよりもはるかにドライバビリティの高い、快適な公道走行が可能なマシンへと仕立て直した。
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