敗戦目前「『あと1人』コールを力に変えて」楽天の27歳が逆転の決勝2ラン 交流戦首位死守
◆日本生命セ・パ交流戦 阪神2―3楽天(5日・甲子園) 1年前、人目をはばからずに涙を流した楽天・小郷裕哉外野手(27)が悔しさを見事に晴らした。1点を追う9回2死二塁、阪神の守護神・岩崎の内角直球を捉えて、右翼席へ運んだ。甲子園初アーチが逆転の3号2ランとなり「子供に一生、言えますね。『あと1人』コールを力に変えて頑張りました」と今年は満面の笑みを浮かべた。 打席に向かう前、昨年6月8日の阪神戦(楽天モバイル)の悪夢がよみがえった。8回の右翼守備で飛球を落球し逆転につながった。9回、小深田のサヨナラ弾に助けられて試合後は号泣しただけに「昨年は救ってもらった。成長した姿を見せられるように、という思いで、気合を入れてやっています。今日は試合を決められて良かったです」。球場は異なるが同じ阪神を相手に、トラウマを完全に払拭(ふっしょく)した。 岡山出身で、少年時代は「下敷きとユニホームを持っていた」。鳥谷推しの虎党だった小郷の劇的な一打で、球団史上初の交流戦開幕から3カード連続の勝ち越しを決め、交流戦首位タイの座を堅守。今江監督は「小郷の本塁打はさすがに想像していなかったですけどね。よく打ってくれました! 今日みたいな試合は本当はしんどいのでしっかり先制してダメ押ししてやりたい」とぼやきながらも、うれしそうだ。借金4のパ4位ながら、セ・リーグを相手に息を吹き返した楽天が、交流戦をかきまわす。(阿見 俊輔)
報知新聞社