打撃練習に取り組む主将の石川ケニー右翼手（２年）＝茨城県高萩市石滝で２０２２年２月１５日、長屋美乃里撮影

　そこにいるだけで周囲を明るくするキャプテンは、「ハワイの太陽」（金沢成奉監督）のような存在だ。 　米ハワイ州オアフ島生まれ。少年時代は、かつて地元の独立リーグでプレーした父則良（のりき）さん（４８）の熱血指導で鍛えられた。 　昨夏まで「自分のプレーさえ良ければ」と思っていた。だが、主将に選ばれると、全員で活気のあるムード作りを心がけた。ウオーミングアップで声を出すメンバーは、練習のたびに自ら指名する。「チームに迫力が出て、まとまってきた」と言い切る。 　昨秋の関東大会では中軸として存在感を見せた。準決勝・木更津総合（千葉）戦では七回表２死二塁の好機でダメ押しの適時打を、決勝・山梨学院（山梨）戦では本塁打を放ち、県勢として１８年ぶりの秋季優勝に貢献。「下位打線を含めて機能してくれるから、冷静な気持ちになれた」。チームメートへの信頼を口にする。 　投手としても活躍していたが、肘のけがで公式戦のマウンドに立てていない。大舞台で投げる姿を、厳しかった父にも見てもらおうと調整を続けている。＝つづく 　　　　◇ 　第９４回選抜高校野球大会（毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力）に出場する明秀日立。３月１８日の開幕を前に、注目の選手たちを紹介する。（この連載は長屋美乃里が担当します） ……………………………………………………………………………………………………… 　■人物略歴 　◇いしかわ・けにー 　神奈川・原中出身。１７６センチ、７５キロ。左投げ左打ち。