岸田首相への渾身のツッコミに賛辞止まず!──堤伸輔「いったいどの口が言っているのか!」
裏金問題に揺れる岸田文雄首相と自民党に、編集者・コメンテーターの堤伸輔が物申す! 【写真を見る】岸田首相のドヤ顔、泣き顔、笑い顔
堤伸輔が自民党の裏金問題を斬る!
「岸田文雄どの口が言うシリーズ」がすぐにも作れそうな勢いだ。 自民党のパーティー券販売益キックバックに始まる「政治とカネ」問題、いや「カネ(のためにやってる)政治」問題を受けて、1月11日、岸田首相は政治刷新本部とやらを立ち上げ、こう言い放った。 「日本の民主主義を守るためには、自民党みずから変わらなければならない!」 あまりに呆れたので、その夜のBS-TBS『報道1930』で、私は言わずにいられなかった。「いったいどの口が言っているのか、と思わざるをえない話です」と。 この問題を東京地検に告発した神戸学院大学の上脇博之教授が「日本の民主主義を守るためにやりました」とおっしゃるなら、誰も文句を言わないだろう。政治資金規正法に明らかに違反する収支報告書不記載などの罪を犯した各派閥(岸田派も!)を束ねる政党党首が、どの口を持ってくればそんな言葉を吐けるのか、言語感覚が理解できない。いやいや、あなたたちこそ、日本の民主主義を“破壊”しているんじゃないですか? 残念ながら、新聞やテレビの政治部は、この種の発言を気に留めない。同じ会合の第2回目(1月16日)で首相が「民主主義を守るため」とそっくり同じことを言った時も、旧来メディアではほぼスルーされた。だからこの国の政治家は、平気でおかしな発言を繰り返す。 私のツッコミに共感してくれたのは視聴者のほうだった。SNSのX(旧ツイッター)では「まさにその通り!」という声が上がり、それに賛同してくれた人も多かったようだ。 シリーズ第2弾。自民党が刷新本部の「中間とりまとめ」なるものを正式決定した臨時総務会(1月25日)で、またまた岸田首相は言った。 「政治改革に終わりはありません!」 いやいや。それって、あなたが政治改革をライフワークとしてきたような政治家なら、まことに似つかわしい言葉ですよ。たとえば、平成元年に1年生議員ながら政治改革を訴えた故・武村正義衆院議員が同じことを言ったなら、多くの人がうなずいたに違いない。どう見ても昨日や今日、慌ててカネ政治を見直すふりを始めた総理、あなたの口から出るにふさわしい言葉じゃないでしょう?
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