切り刻まれたフロッピーが送られてきた―90年代の「難しすぎたPCゲーム」に海外ユーザーが見せた怒りを振り返る開発者
2024年3月22日、1990年代にLucas Artsからリリースされた宇宙戦闘シミュレーター『Star Wars: X-Wing』シリーズについて、制作者の1人であるデイビッド・ウェスマン氏が当時の振り返りをGame Developers Conference 2024で行いました。 【画像全4枚】 本格宇宙戦闘シミュレーターを目指した結果、超絶難易度に ウェスマン氏は、「X-Wingシリーズは本格的な宇宙戦闘シミュレーターとするアプローチを選択した」と述べました。これは当時ウェスマン氏が所属していたTotally Gamesが以前に本格的な第二次世界大戦のフライトシミュレーター『Secret Weapons of the Luftwaffe』を開発していたことにも由来します。 それまでの『スターウォーズ』関連のゲームは戦闘機のパイロットになるというファンタジーを提供していたものの、実際は戦闘機の操縦からはかけ離れたアクションゲームが大半だったことに氏は不満であり、『X-Wing』シリーズではエネルギーの管理や状況認識など、実際の戦闘機パイロットに要求されるスキルをプレイヤーが身につけるようにしたと言います。 しかしながら、実際にリリースされたゲームはあまりにも難易度が高く、メーカーに苦情が殺到する事態になってしまいました。ウェスマン氏曰く、「(開発者である)自分たちのスキルレベルに合わせて難易度を調整するという、典型的な新人の間違いを犯した」ということで、その結果一般のプレイヤーにはハードルが高すぎるものとなってしまったのです。 その中でも飛びぬけて難易度が高いミッション"Protect Medical Frigate"はウェスマン氏の調整によるもので、このミッションに対してはたくさんの怒りの手紙が届き、中には切り刻まれたフロッピーディスクが同封された手紙も送られてきたといいます。 この反応を受けて開発陣は『X-Wing』の「ストーリーが直線的すぎて行き詰りやすい」「長すぎるミッションにセーブポイントがない」「目標が見つけづらく無駄に飛び回ってやられてしまう」といった問題点を洗い出し、続編となる『Star Wars: TIE Fighter』でこれらの問題点を改善、こちらは現代でも語り継がれる名作となりました。 現在、Steamでは『Star Wars: X-Wing』『Star Wars: TIE Fighter』のリメイク版がともに配信中です。上記の経緯を踏まえて、これらのゲームを遊んでみるのも一興かもしれません。 ※UPDATE(2024/4/1 14:30):本文中の表現を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。
Game*Spark ずんこ。
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