【サッカー日本代表・コラム】サッカー日本代表は、イランとの準々決勝で失意の敗退を喫した。敗退のきっかけとなるPKを献上してしまった板倉滉に求められる進化とはーー。

痛恨のPKを献上してしまった板倉滉。ここからの奮起と進化が求められる（C)Getty Images

失意のアジアカップとなった。 イランとの準々決勝。決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦で負った怪我が心配された板倉滉は、変わらずスタートからピッチに立った。冨安健洋とCBコンビを組み、ここまで毎試合失点を重ねてきた最終ラインに安定感をもたらすことを期待されていた。 ただ、イラン戦は「こんなに自分自身でゲームを壊すことは今までなかった」と振り返るほど、板倉にとって悔しさだけが残るゲームとなった。 キックオフ直後のプレーから不安定さが見られていた。久保建英のパスに対し、トラップが大きくなりロングキックが相手に渡る形に。なんてことのないプレーからミスが出ていた。さらにイエローカードになった場面は、背後を取られた時点で止めるしかなかったため仕方ないが、ここで警告をもらったことも「自分を難しくしてしまった」。局面、局面で相手を上回ることができず、相手の動きに対する反応も遅れる場面が散見。同点弾を奪われたシーンでも完全に背後を突かれてしまった。 そして、悪い流れは最後まで続くことになる。後半アディショナルタイム、ゴール前に浮かんだボールにかぶってしまうと、ルーズボールを処理しようとした際に相手に接触。最悪の形でPKを献上してしまった。結果、このPKによる失点が決勝弾となり、日本は敗戦を喫することになった。 試合終了のホイッスルが鳴った後、板倉は険しい表情を浮かべながら一目散にロッカールームへと引き上げた。チームの円陣にも加わらず、ピッチに戻ってくることはなかった。試合後、板倉は悔しさを押し殺しながら謝罪の言葉を述べた。 「本当に申し訳ない気持ち。日本から応援してくれている人もたくさんいたと思う。敗因は自分にあると思うし、CBの自分がもっといいパフォーマンスをしていれば勝てたと思う」 加えて、「（今日のようなパフォーマンスを）勝たないといけないこの状況でやってしまったのは、ここで（自分自身の）力の差が出たなと。より一層サッカーに向き合ってもっとやっていかないといけない。このままだと代表のピッチに立つ資格はないなと感じた」と思いを口にした。