このままでは安倍派が自民党から出ていく可能性も 青山繁晴議員が指摘
作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴とジャーナリストの須田慎一郎が12月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田政権の今後の運営について解説した。 【写真】今年開催された、安倍派「政治資金パーティ」の様子
臨時国会、13日に会期末
政治資金パーティーをめぐる問題で岸田総理大臣は12月11日、記者団に対し「状況を把握しながら国民の信頼回復のために、国政に遅滞を生じさせないために、適切なタイミングで適切に対応を考えたい」と述べた。総理は臨時国会の会期末となる13日に記者会見を行い、人事を含めた今後の政権運営について説明する考え。 飯田)安倍派の政務三役を辞めさせるのかどうかなど、さまざまなことが言われています。人事についても「適切に」と言っていますが、15人もいきなり代えられるのでしょうか? 青山)その前に、「適切に対応」という言葉をいい加減やめたらどうでしょうか。不適切な言葉ですよね。何も言わないように、覆い隠すために言っているのと同じです。日本の政の決まり文句がありますが、まずはそこから追放しましょう。
安倍派を外すことが適切な対応とは思えない
青山)安倍派だから「政務三役から出ていけ」と言うなら、根拠を示すべきです。安倍派の閣僚のなかで、具体的に言うと、鈴木総務大臣と宮下農水大臣がいますが、「キックバックはしていない」と全否定しています。パーティー券の売り上げが少なければ、キックバックどころではないですよね。それを言っているのかも知れないので、事実関係も確認しないまま安倍派だったら全部クビ、まだ当選1回の政務官もクビだとするのは、根拠が希薄です。総理自身が把握していないとしても、岸田派の人に何かあったら全部終わりですよね。それを適切な対応と言うのでしょうか? 飯田)整合性がまったく取れないですよね。
政権基盤を変えようとしている
青山)本人が否定したら、「そうですか」と言うわけにもいきません。捜査の進捗に合わせて考えるべきです。現状は前のめりで、とにかく「安倍派だったら全部クビ」と、つまり総理の頭のなかでは政権基盤を変えようとしているわけです。いままで安倍派にすがってきましたが、岸田派・茂木派・麻生派を合わせると150人くらいになるので、切り替えようとしているわけです。もう一度言いますが、それは適切な対応でしょうか? 単に政権を守るための判断に過ぎず、正義に基づいているとは言えないですよね。 飯田)ものすごく派利派略な感じがします。 青山)派閥そのものに関して問われているのに、視点が違いますよ。一国の総理、GDP世界4位の……円安で4位になっているだけで、本当はアメリカと中国の次ですから、ドイツよりも日本は経済力が上です。その責任を感じたら、パーティーも当面自粛ではなく、止めなくてはいけない。根幹である派閥も止めないといけませんし、国会議員がつくった国会議員に都合がよすぎる政治資金規正法も変えないといけません。 飯田)政治資金規正法も。 青山)本来はそれを「適切な対応」と言います。それなのに、いい加減な対応を「適切な対応」と総理が言っていたら、国民の信頼が回復するでしょうか? 私は自由民主党の現職議員であり、完全に無派閥です。自分でパーティーは開きませんし、献金も受けない。後援会もなく後援会長もいない立場から申し上げます。私のやり方をみんなが真似てくれとは思いませんが、こういうモデルも示していますので、メディアもそれを取り上げるべきだと思いますし、総理がお考えになるのは根本のところです。 飯田)根本のところ。 青山)自由民主党の総裁である以前に、内閣総理大臣は日本の責任者ですから、いまのやり方が適切な対応とは思えません。