商用宇宙ステーション「アクシオム・ステーション」建設手順見直し 2028年にも単独飛行へ
こちらはアメリカの民間企業Axiom Space(アクシオム・スペース)が地球低軌道(LEO)に建設を計画している商用宇宙ステーション「Axiom Station(アクシオム・ステーション)」の最新の想像図です。5つのモジュールで構成されるAxiom Stationは2030年で運用を終える国際宇宙ステーション(ISS)に代わり、微小重力環境における研究・実験の場を提供することになります。 プラダが協力 次世代宇宙服「AxEMU」のデザインをアクシオム・スペースが公開(2024年10月20日)
Axiom SpaceはISSに商用モジュールの追加を目指す企業として2020年にアメリカ航空宇宙局(NASA)に選定されています。Axiom Stationはこのモジュールを基礎として建設が始まり、ISSの運用終了前に分離して独立した宇宙ステーションとして運用を始めることが計画されています。 今回、Axiom SpaceとNASAはAxiom Stationの建設手順を見直し、当初の予定よりも2年ほど早い2028年から独立した宇宙ステーションとしての飛行を可能にすると発表しました。これはNASAの要請に基づくもので、“足掛かり”となるISSからAxiom Stationを早めに離脱させることで、ISSを軌道離脱させるための宇宙機を係留するなど運用終了に向けた準備を進めやすくなるとされています。 具体的には、最初に打ち上げられる予定だった居住モジュール「AxH1(HAB-1)」に代わり、ペイロード・電力・熱モジュール「AxPPTM(Payload Power Thermal Module)」が最初に打ち上げられてISSに結合。AxPPTMは2028年にISSを離脱して単独飛行を開始し、そこに2番目のモジュールとして打ち上げられたAxH1が結合します。 その後はエアロックモジュール(Airlock Module)、もう1つの居住モジュール「AxH2(HAB-2)」、研究製造施設モジュール「AxRMF(Research and Manufacturing Facility)」が続々とAxiom Stationに追加されることで、冒頭に掲載した想像図に描かれた構成となる予定です。 また、発電や熱管理の機能が集約される予定だったAxPPTMは、製造を加速するためにAxH1/AxH2の設計が流用されることになりました。そのことを反映してか、過去に公開された想像図では大型の太陽電池パドルを備えた塔状の構造物として描かれていたAxPPTMは最新の想像図では他のモジュールとよく似た姿になり、太陽電池パドルやラジエーターはAxPPTM以外のモジュールにも分散配置されるように描かれています。