【菊間千乃氏・福島敦子氏は4社兼任】急増する元女性アナの社外取締役 「取締役会で意見も求められます」元キャスター・根本美緒氏が明かす仕事内容と就任の経緯
どういった経緯で声がかかるのだろうか。 「新日本建物は会長がみのもんたさんとお知り合いで、『朝ズバッ!』を見てくださっていたそうです。気象予報士の先輩である森田正光さんも会長に私を推薦してくれたこと、東大大学院で環境システムの研究をしていた点もSDGsの観点で評価していただいたようです」(同前)
父親が著名な投資家
本誌・週刊ポストは、上場企業の社外取締役・社外監査役に就任(2023年度)する20人の元女性アナ・キャスターを調査した。最も多く兼務していたのが、4社で社外取締役を務める2人だ。 菊間千乃氏は早大法学部卒の元フジテレビアナウンサー。菊間氏が引く手数多の理由は、フジ退社後に取得した「資格」によるところが大きい。 「菊間さんはフジテレビ勤務のかたわらロースクールで学び、退社後に司法試験に合格、弁護士資格を取得しました。弁護士となってからも早大大学院で法律の勉強を続け、企業法務の専門家でもあります」(松崎氏) 社外取締役の報酬は一般的に、1社あたり年間500万~1000万円程度とされている。菊間氏は過去の報道や有価証券報告書などから4社で推定3800万円程度と見られる。 同じく4社を兼務する福島敦子氏はNHKのスポーツアナなどとして活躍し、妹はイチローと結婚した福島弓子氏(元TBSアナ)。「イチローの義姉」としても知られる。 キャスターのほか、ビジネス誌で経営トップと対談する連載企画を持つなど、「800人を超える経営者を取材」(公式サイトより)した経歴が評価されたようだ。 3社を掛け持つ蓮見麻衣子氏は、華麗なる転身を遂げた。フジの局アナ時代は旧姓の宇田麻衣子の名前で活躍していた。 「フジを4年で退社しましたが、父・宇田豊氏は著名な投資家。自身も退社後に米スタンフォード大ビジネススクールに入学し、2005年に帰国後は証券アナリスト、ファンドマネージャーとしてキャリアを重ねた」(松崎氏) 同じくフジテレビ出身で2社の社外取締役を兼務するのが牛尾奈緒美氏。 中村の旧姓で局アナとして勤めたが、1989年に退社後、専業主婦を経て慶大大学院でMBAを取得、経営学者としての道を歩んだ。明治大学教授などを歴任し、同大学の副学長も務めた。 「義父はウシオ電機設立者で会長の牛尾治朗氏。奈緒美氏は政府の有識者会議のメンバーに名を連ねた経験も評価されている。安倍晋三元首相の一族とも姻戚関係にあります」(同前) (後編につづく) ※週刊ポスト2024年10月4日号